商売不振で経済的に悩む

 

【問】長年のぜん息で苦しんでいましたが、そのぜん息はなおりました。ところが商売がうまくいきません。

経済的な悩みをどうすればよいでしょうか。

 

【答】 難問中の難問がおこってきました。これは、いつもいっているとおり、商売を一生懸命やらねばだめで

す。あなたの商売はタイプライター、計算機などをつくっているのですね。あなたの年はいくつです、五十四歳、

大事なところです。

 

 商売のことは、これひとつでぜんぶに通ずるから、しっかり聞いてください。すぐには金持ちにはなれないの

です。その人の罪業によるのです。この理論はいつもいっているのですが、もうすでに金持ちになるように、み

なさんはできているのです。ここにいる人たちは、みな金持ちになるようにできています。だけども金持ちとい

うても、その人の福運の程度にもよるし、いれものにもよります。

 それで、一生涯死ぬ前に、もう、ほんとうにしあわせでしあわせでこまるような境涯で死ぬように、この法で

はきまっているのです。ところが、水道の水はいつでもきれいなものですが、かりにホースをそこにつけたとし

ます。ホースのなかに、馬のクソやドロがつまっていれば、ホースから最初に出てくる水は、きれいな水は出な

いでしょう。中のものが、きたないものが出てきてから、このきれいな水が出てくるでしょう。それまでの間は、

待ってもらわなくてはなりません。

 

 そうすると、いつもいいますが、どのくらい待ったらいいでしょうかと、こう聞きたいでしょう。まず七年で

す。そんなに待っていられないと、こういうでしょう。それは、この心田と申しまして、心の田と書きますが、

心田に、この宝樹、宝の珠がなる樹を植えたのですから、われわれは畑です。南無妙法蓮華経という仏の種を下

種したのでしょう。どんなに早い野菜でも、三か月しなければ食えません。サルカニ合戦の話ではあるまいし、

芽を出さなければちょんぎるというわけにもいきません。それで心田に植えた所の種が芽を出し、だんだんと太

っていって、大木になる、そうすれば願わずしてその人は金ができ、しあわせになってくるのです。

 

 では、それまでのあいだはどうなるのです。それまでの間は、諸天善神が心田に植わっている種がもったいな

い、ありがたいから諸天善神が昼夜に守るのです。毎朝、東の方をむいて「南無生身妙覚自行の御利益」といっ

て大梵天王・帝釈・四天王、諸天善神ぜんぶに、日夜守って下さってありがとう、とお礼をいっているのでしょ

う。守らないで、礼ばかりいわれるというわけがあるものですか。梵天帝釈が芽をふき出して、大木になるまで

守っているのです。ですから、食えないわけはありません。

 五十四歳でいらっしゃるとすると、あと六年間貧乏しているとすると六十です。六十から七十まで生きるとす

ると、十年間どうですか、今月は熱海、来月は湯河原というふうに、十年間も安楽に暮らせたら、あなたはうれ

しくありませんか。すぐ来年中によくなってしまって、六十で死なねばならない。だから、若いうちにはうんと

苦労したほうがいいのです。三年なり、七年なり、十年なり、幸福でたまらない境涯を受けてから死ぬ仏法にな

っているのです。そうなると早くならないほうがいいことになるわけです。