共同事業について

 

【問】信心している者同志が、共同事業をしてはいけないといわれましたが、広宣流布の時になると、同志ば

かりになってしまう。その時には、商売はみな共同事業になりはしないでしょうか。

 

【答】 そういう理論は別にして、この共同事業というのは、初代の会長牧口先生が、よく私にいわれました。

損をしたときに、その損をなすりつけ合い、もうかった時には、余分にとりたがる、かならず畜生根性があら

われると、よく話しておられました。

 

 ですから共同事業をやって、もうかると、自分がほしくなるし、損すると、あのヤロウが悪いのだからと、押

しつけようとするのです。そして、かならず仲間がこわれます。まあ、会社のような形に変わった共同事業は別

にしましても、いままでの個人の共同事業というものは、かならずおたがいになすりあう。

 これが実にみっともないのです。これはその人の幸福にもならないから、共同事業などはせずに、自分で力を

出してやるように教えておいたのです。だが、共同事業をやっても、そんなことがないとなったら、やってもい

いのです。ただ、やってもいいというと、おれも共同事業をやろうなどと、ロクなことをやり出しかねない。弱

い人は、みなだまっていて、だまされた人は、あとでブーブーいう。ですから共同事業はやるなと、こういった

のです。これは一応のたてまえです。

 

 再応は、美しい心のある人間が、ほんとうにそんなことをしないという友だちがいて、いざやるというなら、

やってもいいのです。成功してごらんなさい。ただ原理は、損をすればなすりつける得をすれば取りたがる、と

いう人間根性のあるうちは、まずやらないほうが無難だろうと、こう教えたのです。「やるな」などという法律

はこしらえていません。学会には、そんな法律などありません。