会社乗っ取り

 

【問】 信心している人が、ある一会社を乗っ取って、盛大にやっています。それをどのように解釈したらよろ

しいでしょうか。

 

【答】 長い目で見ませんと、結論はでません。不当な手段で他人の財産を取って、いくら末法とはいえども、

これで盛大に繁盛している。これでおしまいがりっぱというわけには、それはいかん。そうはなりません。

 

 私と同じに、牧口門下の高弟として、いっしょに牢へも行った男でありますけれども、その後、退転して、ど

うやって金ができたか、私にはその事情はわかりませんが、ちょっとりっぱな文化住宅というようなものをこし

らえて、おととい死にました。その家に入れないで死にました。そして胃袋をとって死にました。その間、十三

年かかっております。

 

 結論からみれば、どう解釈してよいか。解釈の仕様がありません。他人のことよりも、ただ自分の方だけちゃ

んとしていきなさい。

 だが、それが私の関係の会社だから取り返したい、というのなら別です。どう取り返していいかと、それはま

た話は別です。

 私も会社をとられた覚えがあります。私が牢へ行っている間に、いま売ればちょうど一千万円以上に売れる会

社なのです。それもたくさんとられたなかのひとつですけれども、とった男は、金を残して、奈良見物にいって、

卒倒して死んでしまった。どちらが得なのでしょうか。

 そのようなもので、とり返すとなると、また話は別なのです。それを夫婦して「とったからとったから」とイ

ライラしていたら、自分の方が負けてしまいます。自分のほうがとったと同じことの報いを受けてしまいます。

だからとらしてやりなさい、そして自分のものなら、男らしくとり返しなさい。それでいいではないですか。