天変地異が起こるわけ

 

【問】 よく座談会で、いまの時代は末法濁悪の世といい、人を三毒強盛の衆生と申します。だから天変地異が

起こるとも申します。なぜでしょうか。

 

【答】 いまの人は災害が起きた場合、たとえば天井が落ちて人が死んだ時、天井が落ちたから死んだという。

仏は逆に悪い人間がいたから天井が落ちたと説明するのです。善根のある者がいるなら、たとえ落ちる天井があ

っても落ちない。九州の水害にしても、悪い連中が多く集まっていたから起きたのです。命の浄と悪とは外界に

対応するのです。逆に科学では、外界物象がわれわれの生命に対応すると説明づけます。天台大師の兄はひじょ

うに病弱であった。天台は兄に向かって「頭の上に熟酥味を乗せているものと思え、熟酥味がとけてからだ中に

しみこみ、体内から出て室中一杯になる。すると体が温かくなって来る。これを毎日二、三時間やりなさい。あ

なたの病気もなおります」といったそうです。心に思うこと自体が肉体を動かす。でなかったら死にかけた病人

が生きかえったりするわけがありません。熟酥味がなんであるかを天台は知っていたが、ただ「それは南無妙法

蓮華経である」とい(言)う資格がなかったのです。