ダルマは謗法になるか
【問】謗法払いのことについて、子供がオモチャにしているダルマとか、掛軸とかというものは謗法になりま
すか。
【答】 そんなのは謗法になりません。おいてもよろしい。ところが、おもしろいのです。信心が深くなってく
るとおきたくなくなります。まだ本人の信心が透徹しないで、わからないうちに、謗法払いしろというと怒って
しまうのです。それで御本尊様を返すようになります。だから一応はあずけておくのです。そのうちに事件がお
こるというと、さては、これかな、これはあぶないということになります。そうしたら自分でやめればいいので
す。
私の家族にこういう事件があります。私の妹がセトモノ屋をやっているのです。私の世話になったというので、
それでとってもいいホテイさんをもってきたのです。なかなか叩いたってこわれないのです。そうしたらもらっ
たとたんに、腹痛だか何だかおかしなものをおこしてしまったのです。いいホテイさんです。こっとう品として
はいいものです。こわそうとしてもこわれないのです。やきがよくて、とてもいい品物なのです。おしいなと思
ったけれども、どうもこんなものがあったらつごうが悪いと思って、まえのドブへすてておきましたが、だれか
拾った人にまことに悪いことをしたと思っております。
またぼくの友だちに、○○さんという人がいるのです。この人が宮島だかへ行った時に、竹で作ったダルマを
買ってきてかざっておいた。それは、ダルマです。そうしたらいいことがないのです。それで困ってしまった。
そして、事業面で○○さんをさんざん苦しめた男がいるのですが、そのダルマの話を私にしたから、その顔がダ
ルマに似ていないかといったら、そういえばよく似ているというのです。ところで、それは竹で作ってあるから
なかなかこわれないのです。どうしたらいいか、というから、南無妙法蓮華経と唱えて、三辺ナタでたたいて風
呂屋へたいてもらうように、持って行くようにといったのです。そのとおりにしてから具合がいいといっていま
す。
そういうものだから、最初から、あれもやろう、これもやろう、というとおこってしまうから、それは随方毘
尼の戒(月水御書一二〇二ページ)といって、少々仏法に違うようだけれども、その人の信心を助けていくために
は仕方がないという戒なのです。この戒だけは許すと日蓮大聖人様がおおせですから最初そうしておけばいいの
です。そうしているあいだはいいことがないですから。それはふびんのようだけれども、しようがありません。
かえって、そういうことをやれというと、何でもかんでも皆謗法払いしてしまう。まるでこっちがやったみた
いにおこるのです。そして初信の功徳が出て、次にほんとうの功徳が出るまえに、まえのが、またおこってくる
のですから、その時にどうだといってやればいいのです。そうすれば、それではしようがないからやろうと、そ
の時は怒らなくなるというわけです。