なぜ神札を持ってはいけないか
【問】御本尊を受けて、ほかに神札とか、お守りを持ってはいけないのは、どうしてでしょうか。
【答】これはいちばん大事なところです。神札とかお守りには、邪鬼といいまして、その紙によこしまな鬼の
力がこもっているのです。
紙には天照大神と書いてあります。だがその紙に天照大神がいるならいいのです。天照大神がおりますならば、
この大御本尊様のためにはたらきますから、ほんとうの天照大神です。
ところが書かれた紙には、天照大神の力がなく、人を不幸にする力があります。たとえていえば、次のように
なります。コップの水は清らかな水です。大御本尊様と同じとします。ここに仁丹が一粒あります。仁丹だから
いいけれども、これを汚物だとします。これをちょっと、ほうり込む、そうするとこの水はどうなりましょう。
少ないからいいではないかといえますか? 汚物の粒を入れたのです。にごった水になって、功徳どころでなく
て害になりましょう。この中にバイキンなんかはいっていたら、なおたいへんなことになるでしょう。
ですから、ちょうど、天照大神という神札の中には邪神邪鬼の命がはいっています。こういうことをいうと、
むかしの軍人や天照大神を信じている人などは、私をにくむけれども、日蓮大聖人様がおっしゃっているのだか
ら、これはしようがありません。
それなら、おまえそんなこといってもだいじょうぶかといいますが、それはだいじょうぶです。天照大神の札
を千枚もってきたって私は敗れません。なぜかといえば、私は妙法蓮華経の信者だからです。そんなものは一つ
の題目で退却します。
なぜか。もしそれが天照大神というなら、私には文句があります。千枚でも一万枚でも、天照大神はひとりだ
から、そんな何人もいやしません、ここへ出てくればいいのです、証拠があるではないですか。「千五百秋のみづ
ほの国は我が子孫の君たるべき地なり、汝皇孫ゆいて治めよ、皇祖の栄えまさんこと天壌と共に極まりなかるべ
し」とこれしか天照大神はいっていないのです。
ところが、日蓮大聖人様の御書をみてごらんなさい、こんなに厚いのです。ですから絶対ありませんけれども、
この中にたとえ間違いがあったとしても不思議ではありません。
天照大神は「この日本の国というものはニニギのみこととお前行って治めなさい、お前の系統の栄えること天
地とともにきわまりない」これだけの約束でしょう、国家を守るという約束でしょう。しかるに、今度の太平洋
戦争において、負けたことは事実ではないですか。しかも大きなこといって、あのころの軍人は「出てこい、ニ
ミッツ、マッカーサー」と歌までつくって、いざマッカーサーがきたらペチャンコになってしまったではないで
すか。
日本の空をいま、日本人が自由に飛べますか。こんなに負けさせて、天照大神が役目を果たしたかといって聞
きなさい。天照大神を連れてきなさい。日本では他の神々は、ことごとく天照大神の子分です。そうでしょう。
天照大神よりえらいという神々がおりますか。天照大神がいちばんえらいのです。その次が八幡大菩薩、このふ
たりがそろっていて負けさせるということがないではないですか、神さまもへったくれもありません。
というのは、ほんとうは天照大神は悪くないのです。日蓮大聖人様御出現いらい七百年、南無妙法蓮華経を日
本民族が唱えないために、神天上説といいまして、天照大神は日本の国にいらっしゃらないのです。
だから罪は、天照大神にありません。ではあの天照大神と書かれた紙にはなにがはいっているか、日本をほろ
ぼす命がはいっているのです。日本をほろぼす命だったならば、われわれの一軒一軒の家をほろぼすくらいは平
気ではないですか。そんなものをおいたら、ちょうど水の中へ汚物を入れたものを飲んでいるようなものです。
御本尊様を持つといえども功徳はないのです。