方便品・寿量品の意味

 

【問】便品と寿量品と自我偈はどういう意味のお経ですか。

 

【答】方便品と寿量品の相違を申し上げますれば、方便品は、迹門を代表したものでありまして、「諸法実相、

所謂諸法、如是相如是性如是体……」とありますが、あれは御本尊の姿をあらわしたものであります。それから

寿量品は、同じく御本尊の姿をあらわしておりますが、あの「御義口伝書」(御書全集七五二ページ)をお読み下

さればわかりますように、あれは南無妙法蓮華経如来寿量品となっています。南無妙法蓮華経如来寿量品という

ように、南無妙法蓮華経と御義口伝にあるのは、寿量品だけであります。それで、南無妙法蓮華経如来というの

は、如来秘密神通之力とあります。その南無妙法蓮華経の如来の秘密なれば、それは南無妙法蓮華経になってし

まうのです。それまで、迹門の経文では、方便品を読みます。これには秘妙方便が説かれています。

 方便には、うそも方便といいますが、これはうそです。方便というのは法用方便、能通方便、秘妙方便と、仏

法では三種しかないのです。それで、法華経の方便は、秘妙方便にはいるのです。

 秘妙方便というのは、凡夫も仏も同体であって、しかも、それが凡夫の姿でいるのが方便だということです。

十如是はすなわち御本尊の姿をいっているのです。それに、如来秘密神通之力は南無妙法蓮華経の如来の秘密神

通之力なのです。それだから、寿量品を読むのです。