大御本尊はなぜ金文字か

 

【問】「日蓮がたましひをすみにそめながして・かきて候ぞ信じさせ給へ」(経王殿御返事一一二四ページ)とい

う御文がありますが、総本山の大御本尊様は金文字になっているのはどういうわけでしょうか。

 

【答】日蓮大聖人様は、たくさんの信者の方に、御本尊様をすらすらとお書きになって与えられたのです。そ

の一機一縁の御本尊様は墨で書かれたのです。その時に御生命を「墨に染め流して書きて候ぞ」とおっしゃった

のです。しかし墨以外のものは御本尊の力がないとはおっしゃっていないでしょう。

 しかも大御本尊をおしたためになったときには、日蓮大聖人様が、お弟子の日法上人に、彫刻をお命じになっ

たのです。

 墨ですと、五百年も七百年もたつとはげて、薄れてくるでしょう。ですから、「日蓮が慈悲曠大ならば南無妙

法蓮華経は万年の外・未来までもながるベし」(報恩抄三二九ぺージ)というのですから、墨では日蓮大聖人様の

御本尊が薄くなったりすると困るから、彫刻しておいて、さらに、われわれにはっきり見えるように、金文字に

こしらえられたのです。

墨でなくてもよいでしょう、日蓮大聖人様の魂(生命)があればいいのです。また日蓮大聖人様の魂(生命)が

あるからこそ、ご利益があるのではないですか。