万年救護と一閻浮提総与の御本尊

 

【問】万年救護の御本尊と、一閻浮提総与の御本尊との違いについて

 

【答】万年救護の御本尊と申し上げますのは、日蓮大聖人様の宣言書であります。たとえていえば、二つある

のです。佐渡始顕の御本尊も宣言書であります。これは三世十方の諸仏に向かって「日蓮はこの本尊をもって、

衆生を救いますぞ」という宣言書が佐渡始顕の本尊です。また、万年救護の御本尊は「おまえたちを、これによ

って救ってやるのだぞ」という宣言書であります。

一閻浮提総与の御本尊というのは、その奥にもう一段高く、この御本尊をもって「おまえたちはみな拝めよ。

この御本尊によれば、おまえたちのいっさいの悩みは解決するぞ」という御本尊です。

万年救護の御本尊は、保田の妙本寺にあらせられます。保田の妙本寺を開基した日郷という人が、寂日坊にあ

った万年救護の御本尊を持ったまま、千葉の保田へいって、そこへ寺を造ったのが、妙本寺なのです。

今度ようやく、妙本寺の富士師が目ざめて、六百何十年後の今日において、総本山へ帰伏(昭和32年4月)した

のです。大石寺門流になったのです。そこに万年救護の御本尊はあります。「先祖がもっていったのだから、い

ずれ、かえすだろう」と私は思うけれども、まだわかりません。

万年救護の御本尊は、衆生に対する宣言書なのです。いま、奉安殿にいます大御本尊様が、本物なのです。こ

れが大もとになってしまうのです。たとえていえば、金庫みたいなものです。金庫の前に書いた証書が、万年救

護の御本尊です。中味が奉安殿の大御本尊様であらせられるわけです。