第五回総会(午前)(昭和二十五年十一月十二日 東京・神田の教育会館)


前理事長としての挨拶


 当学会は、牧口先生を初代会長として、それ以来、わたくしは初代理事長として、二十年間、この席にあり、ようやく、この会場(教育会館講堂)が会員によって満ちあふれるにいたりましたことを深く感謝しております。


 つきましては、牧口先生亡きあと、第二代会長もいまだ空席のおりに、わたくしは釈迦の教法たる法華経を当学会の指導理念としたことが、わたくしの重大なる誤りであったことに気がつきました。よって、学会の遠き将来を考え、より偉大なる前進を思い、身の謗法を深く感じて、理事長の席を二代目の矢島君にゆずることを決心いたしました。


 矢島君は、第二代の理事長として、いっさいの事務を継承してくれることになりました。今後とも、矢島君をわたくし同様にご支援され、さらに飛躍発展されんことをこいねがうしだいであります。


 それでは、おまえは何をするのかと、お思いになるかもしれませんが、わたくしはみずから深く期するところがあります。
 

 わたくしは、偉大なる御本尊様をいただき、宗祖日蓮大聖人様を絶対に信じたてまつりて、第二代の会長、第三代の理事長を推薦、推戴、学会の前途をあくまで見守って、命のあらんかぎり、妙法のため、当学会の発展のために、身を捧げる覚悟であります。
                  (昭和二十五年十一月十二日 東京・神田の教育会館)