第四回総会(午前)(昭和二十四年十月二十三日 東京・神田の教育会館)


大御本尊様への車引き


 もったいなくも、総本山から猊下をお迎えして、ここに第四回の総会を開催できたことは、ひじょうな喜びにたえないしだいである。わたくしは、きょう、創価学会の使命について、この機会にすこし述べたいと思う。


 日蓮大聖人様から六百余年、法燈連綿と正しく続いた宗教が、日蓮正宗である。もっとも完全無欠な仏法が、日蓮正宗なのである。この仏法こそ、わたくしたちを真に幸福にみちびいてくれる宗教であることを、わたくしたちは日夜、身をもって体験しているのである。


 世界の文化がいくら発達しても、国と国とのもつ間がらが、道徳を無視して、実力と権力闘争の世界では、けっして人類の真の幸福はない。不幸にして、原子爆弾による戦争が起こったならば、世界の民族は崩壊の道をたどる以外にない。

 

 このときに、日本国に厳然として存在している、人類の破滅を阻止しうる偉大な宗教が、日蓮大聖人様によってあたえられているのであると確信する。


 毎朝、御観念文に拝するごとく、主師親の三徳をそなえられていらっしゃる大聖人様を、われわれごときものが拝することのできるのは、まことにもったいないしだいである。
 われわれは、日蓮大聖人様の家来であり、子であり、弟子なのである。そして、宇宙の仏様であらせられる大聖人様の家来、子、弟子となれることは、人生の大因縁なのである。しかも、開示悟人の大聖人様の因縁である。大聖人様の御出世は、われわれのごとき無知な悪人に、大御本尊様を拝ましてやるという一大事因縁なのである。ゆえに、大聖人様の教えに随順して、世に最高唯一の大御本尊様を、子として、弟子として、家来として拝することは、無上の大果報である。


 ゆえに、世人に先立ってこの因縁を知りえたわれわれは、御本尊様の功徳を悩める衆生につたえる使命をもっている。われも拝み、人にも拝ませるようにつとめ、善きにつけ、悪しきにつけ、世の中がいかになろうとも、世界人類の幸福のために、自分も拝み、他にも拝ませなければならない。


 わたくしたちは、無知な人々をみちびく車屋である。迷っている人があれば、車に乗せて、大御本尊様の御もとへ案内していくのが、学会の唯一の使命である。宝の山にはいって、宝をとるかとらないかは、その人の信心の結果であって、ただ宝の山たる大御本尊様へ案内するのが、われわれ学会の尊い使命なのである。


 宗教によって名誉を欲するのではない。まして、新興の宗教屋のごとき金もうけを目的とするものでないことなど、いまさら申しあげるまでもない。ただ目前のご利益を望み、真の大聖人様の功徳を知りえないならば、まことに不覚といわなければならない。


 最近にいたって、百人にもおよぶ指導員ができて、ともに同志として広宣流布に邁進できることになったことを、まことに喜ばしく思っているしだいである。


                     (昭和二十四年十月二十三日 東京・神田の教育会館)