講義後の質問に答えて(大白蓮華第七十八號 昭和三十二年七月一日発行)

 戸田先生 これは、簡単なんだよ。生きていることが、楽しい状態だよ。私がもし、ふつうの教授やなんかでありまして、ここで講義をしておったら、何時間講義しなきやならん、どうしなきゃならんと思うでしょうが、私は、イヤならやめちゃう。私は、生きて、楽しんで講義をしてるんです。あなた方に、義理なんか立てていませんよ。だから、御遠慮なく(笑)
 ワタシは、自分で生きているんです。議義をしたいから、しているので、イヤになったら、やめてしまうだけのことだよ。それを三身即一身の境涯というのだよ、イヤならやめる。好きならやる。それで、人に迷惑はかけないぞ。人に迷惑はかけちゃいかん。自分だけのことは、自分が楽しんでおればいい。
 今日の講義なんかも、自分で、好き放題のことをいっているんです。こういったらほめられるか、こういったら嫌がられるか、そんなことは、みじんも考えてないぞ。僕の思い通りの講義してるんだから。それがイヤなら、君らこなきゃいいじやないか。(笑)
 それを、三身即一身、自我得仏来の境涯というのだよ。それを習って帰って「おれは、自我得仏来だ、一パイ出せ」なんて、女房にいったら、承知しないぞ。(大爆笑)
 わが心の境涯は、広々として、天空をわたるような境涯でなければならぬと、ワタシは思うのだがな。だから、僕は、講義していても、楽しいのです。