戸田城聖全集質問会編 251 肺病でろうあの三十歳の娘
〔質問〕 三十歳になる子供(娘)が肺病で、しかもろうあです。本山へ何回もきて、口はきけるようになりました。耳はまだ聞こえません。病気のほうもだいぶよくなったのですが、最近だんだんおかしくなり、のとが痛いというので医者にみてもらったところ、もう二か月ともたないといわれました。それで、三十九度の熱をだして、きょうきたのですが。
どのように返事をしてあげたら、この人の悩みはとれるでしょうか。仏法上からおして結論は目に見えております。本人の心の苦しみをいえば、子供というから五つか六つかと思ったら三十だと。なおってみても三十。肺病がなおっても、耳がなおらなければ、嫁のもらいてがありません。口がきけなければ、もらいてがありません。それでも親となれば、生かしてりっぱにさせたい、これは親の情です。逆に親が死んでしまったならば、その子はどうなるでしょうか。
そこに運命の大転換は、御本尊様に願って「方便現涅槃」の定理による以外にないことは、私には明々としてわかるが、それをはっきりと、いうわけにはいきません。