戸田城聖全集質問会編 204 妻の愛人を憎んではならないか

 

〔質問〕 私の妻が、ある男と変な関係になりまして、そのときから暗い日々を送っております。そして、その男を、ほんとうに憎んでいます。最近、その相手の男が、日蓮正宗に入信したとのことですが、その男を憎むことは謗法になりますか。

 

牧口先生が、そのような問題を、よくお答えになっていたので聞いていました。ふつうなら、かわいそうだと思ってなぐさめるのですが、牧口先生はそのとき「意気地なし、自分の女房を取られるとはだらしがない。おおいに憎め、取り返してこい」といわれました。謗法とはなりません。また憎めないような信心になりなさい。

 小説にこういう話があります。ある男女が恋愛をして、男はすぐに外国へ行って、二、三年後に、女は他の男と結婚し、幸せな日を送っていた。ところがある夜、突然まえの男に会う。

男は彼女に急に愛情を感じて、彼女に迫った。彼女は現在の生活に満足しており、拒絶したので、男はその夫君にまえのことを話した。夫君がいうのには「畑にダイコンやニンジンができたといっても、あなたがまえに小便をかけたから、それが肥料になってできたとはいえない。

まえはどうあろうとも、いまできているのには変わりがない」と。男はかくあるべきであります。