戸田城聖全集質問会編 163 トリ屋だが殺の報いはあるか

 

〔質問〕 私の商売は、トリ屋で、毎日、ニワトリを殺しています。その報いはあるでしょうか。

 

 大御本尊様をきちんと拝んでいれば、ニワトリを殺しても、いっこうさしつかえありません。商売のためですから。

 そういうことはどこにあるかというと、御書にあるのです。殺せとはありませんが……。獅子に追いかけられたキツネが、どうせ井戸へおちて、こんな苦労をするならば、この身をなんで獅子に供養してやらなかったのだろうと嘆いたという御書があります。釈尊の経文をひいておられるのです。

 それなら、イワシやサケをとって殺すのはどうなるか。そういう殺の報いというのは、それほど大きな罪ではないのです。といっても、殺りくを好む者、ということばが「無量義経」にあります。殺すことが好きで殺すなら、アリーぴき殺しても、その報いはあるのだが、商売で魚をとったり、鳥をとったりしなくてはならないのは、しようがありません。そんなことは、罪にもなんにもなりません。もし、かわいそうと思うなら、題目を唱えてやって、それで終わりです。

 ただし、人殺しは絶対にいけません。人殺しを二、三人やってから、せいぜい題目唱えてやろうなどと、そんなばかなことは絶対にいけません。