戸田城聖全集質問会編 93 予言と元軍の敗北

 

〔質問〕 鎌倉幕府は日蓮大聖人様の「立正安国論」の諫めを用いなかった。にもかかわらず、あのとき、攻めてきた元軍を打ち破っています。すると日本の国は滅びていないから日蓮大聖人様の予言がうそになるのではありませんか。

 

 これについては、二つのことを申し上げます。

 一つは小(もう)()御書を拝すると、はっきりします。ここには「蒙古が攻めて来るといった日蓮の予言が当たったと得々としていては、弟子として許さんぞ」ということが述べられてありますが、そのおことばの陰には、日蓮大聖人様が国をお護りになった証拠が、歴然としています。日蓮大聖人様が、日本にご出現なされた末法の御本仏として、日本がむざむざ滅びるのを見ているわけがない。今度の太平洋戦争で神風が吹く吹くといいながら、日蓮大聖人にあたる方のご出現がなかった。だから、いくらさわいでも、負けたのであります。これが一つであります。

 もう一つは、これが北条家の滅びる原因をつくっていることであります。そして日蓮大聖人様が亡くなって、まもなく滅びています。