戸田城聖全集質問会編 17 御本尊のお文字について

 

 〔質問〕 御本尊の南無妙法蓮華経のお文字は下にくるほど大きくなっています。また、お文字がはねているのはなぜですか。

 

 おそれ多いことではありますが、御法主上人にお聞きするところによれば、南無妙法蓮華経のお文字が末広がりになっていることは、仏法がひろまることを意味し、お文字が脇へ力強くはねていることは、広宣流布がかならずかなうということを意味します。日蓮大聖人様が広宣流布のお心を写されたものと拝します。

 

 〔質問〕 戒壇の大御本尊様のお文字と、われわれがいただいている御本尊様のお文字の形に、相違が見られますが、また世間のふつうの字と、御本尊様のお文字とは、南無妙法蓮華経の法の字だけは同じで、あとは違うのはどういうわけですか。

 

 七百年前、日蓮大聖人様には、当時六老僧といって、六人の高弟がおられましたが、そのなかで、ただ日興上人お一人に、いっさいのものをお譲り渡しになっています。それが、堀米日淳六十五世猊下まで、血脈相承といって、われわれの御法主上人に、法水の容器は違うが、その内容は一滴ももらさずに伝えられてきているのです。だから御法主上人だけが、御本尊様をしたためることのできる方なのです。

 御本尊様を信心のない人が拝めば、なんだ紙きれに字が書いてあるだけではないか、ということになります。だが御本尊様は、紙片でもないし字でもないのです。仏様だと信じて拝むのです。

 私たちは仏様の子であり、弟子であり、家来であります。だから、困ったときに御本尊様によって守られないわけがない、諸天善神に、守られないわけがないでしょう。仏の子ですから、どんなわがままな願いでも聞いてくださる、育ててくださる。しかしこわい、そして慕わしい、そういうのが御本尊様です。

 けっして、紙でも字でもないのです。御本尊様の字にはひげがあるとかなんとか考えないほうがよいと思います。