戸田城聖全集質問会編 8 大御本尊はなぜ金文字か
質問 「日蓮がたましひをすみにそめながして・かきて侯ぞ信じさせ給へ」
(御書全集一一二四㌻)という御文がありますが、総本山の大御本尊様は金文字になっているのはどういうわけでしょうか。
日蓮大聖人様は、たくさんの信者の方に、御本尊様をすらすらとお書きになって与えられたのです。その一機一縁の御本尊様は墨で書かれたのです。そのときに御生命を「すみにそめながして・かきて候ぞ」とおっしゃったのです。しかし、墨以外のものは御本尊の力がないとはおっしゃっていないでしょう。
しかも大御本尊をおしたためになったときには、日蓮大聖人様が、お弟子の日法上人に、彫刻をお命じになったのです。
墨ですと、五百年も七百年もたつとはげて、薄れてくるでしょう。ですから「日蓮が慈悲曠大ならば南無妙法蓮華経は万年の外・未来までもながるべし」(御書全集三二九㌻)というのですから、墨では日蓮大聖人様の御本尊が薄くなったりすると困るから、彫刻しておいて、さらに、われわれにはっきり見えるように、金文字にこしらえられたのです。
墨でなくてもよいでしょう、日蓮大聖人様の魂(生命)があればいいのです。また日蓮大聖人様の魂(生命)があるからこそ、ご利益があるのではないですか。