戸田城聖先生の巻頭言集 22 七百年記念特集号のことば

 

 記録するということは、未来へ、真実の歴史を残すことである。

 昭和二十六年五月三日、会長就任いらい、立宗七百年を目指して、会員一同は、一丸となり、折伏教化に邁進して、大御本尊のご慈悲にこたえんとしたのであった。力なきわれらではあるが、御本尊の加護をこうむり、発願どおりに折伏の戸数一万を数え、登山の数四千を越えたは、望外の喜びである。

 これは、日蓮正宗始まっていらい初の大折伏であり、かつ一大団体の登山である。しかも、一糸乱れざる登山風景は、末代に誇るものがあったであろう。三門内に整列した四千の同志は、支部旗を前にして整然と、『顕仏未来記』の仏勅にこたえんと誓った風景は、いまなお目に映るが、これを集録して後代に残さんとするのが、本書発刊の第一義である。

 また、宗門始まっていらいの、いまだかつてない大聖人の御書出版の大業が、畑毛の堀日亨上人猊下のご慈悲により、学会の手によってなったことは学会最上の光栄なことである。

これをも、ともにあわせ記録して、学会歴史のうえに大きな足跡を残さんとするのが、本書発刊の第二義である。

                           (昭和二十七年六月三十日)