東京豚骨ばんから つけ麺
750円。
結構スナッキーで、味のわかりやすいつけ麺です。
これはなるほど、チェーン店らしい客層選びが徹底していますし、それでいて旨味がきちっと伝わりやすいからラヲタだって認めざるを得ない内容・・・、ラーメンというある程度ジャンクな料理を好む人でこれを嫌いってことはなかなかないでしょうね。
特にお薦めしたい人は、鶏の唐揚げで、名古屋風の甘酢ダレのかかった唐揚げが好きという方。
きっと気に入ることでしょう。
麺は太麺。
少しアルデンテ気味に茹でられ、軽く芯を残します。
麺と麺が張り付いたりべたつくことはなく、プリプリっとした表面でしっかり独立。
逆に言うと少しつけ汁を弾きすぎるのですけどね。
麺の個性が単独で舌に感じられやすいので、もう少し麺の穀物感や玉子の味わいを上げてもらった方が私には好みでした。
また固めの茹で具合でワクワク感を高めてはいますが、それ故に麺の伸縮性や歯切れがやや不均一であるようです。
基本的にはぶりっと歯切れる麺であろうとしながら、時折脆く歯切れる感じのところもありますね。
まあ気にしない人は気にしないだろうけど、私はちょっと気になったかな?
固めの麺を好む人が多いために、ぎりぎりの固さにしていることで仕方がないのですが、その辺が少しスナッキーな作風の印象を高めているかもしれません。
麺にはなだらかにナチュラルウエーブが入り、いくらかの野性味を感じます。
どちらかというと無機質なタイプではありますが、そのウエーブの僅かなゴワつきが、ちょっと心煽る感じでもありますね。
つけ汁はゴマのトッピングが豊富です。
スタッフの方から辛さを心配されますが、辛さはノープロブレム。
むしろ甘いです。
甘味をいくらか優先しながら、辛味が感じられるその味わいは、名古屋の唐揚げの味にかなり近いですね。
そしてこのつけ汁の素晴らしい点は、味わいに張りがあり、だれた風合いがまるで感じられないこと。
まとまり具合がぎゅぎゅっと絞られていて、安定感が抜群です。
濃厚でありつつも、後味における山椒もいくらか含んだかのような渋苦辛いスパイシーな味わいも、細やかに感じさせることが出来ています。
ここにひょっとしたら魚介系も少し入っているのかも、わからないですけどね。
動物系出汁の個性を素朴に素直には感じさせられませんが、それでも調味料然とした安易さに陥らず、風味の厚みを残しているので、これはなかなか満足度の高いつけ汁です。
さらにはスープ割が嬉しいですね。
小ビンで届いた豚骨スープを自分で追加するのですが、おっと綺麗な豚骨スープ!
臭みはないのに豚感はちゃんとある。
これって自家製なのかな?
小規模のごく普通レベルのラーメン店は、こういう豚骨スープをチェーン店が出してくるとちょっと厳しいですね。
究極のラーメン店で出すつけ麺とすれば、もう少し動物系、あるいは魚介系出汁をコンセプトを持って主張させないとなかなか厳しいと思いますが、チェーン店として万人受けするつけ麺と考えるとこのまとまり感は相当高く評価できますね。
このお店の九州豚骨が大好きな私ですが、つけ麺も十分推薦できる一品と感じられました。
正直なところ、このお店の看板である東京豚骨よりも好みです(失礼)!
そして最後に、このつけ麺のエクストリームな美味しさの引き出し方を伝授!
このつけ麺のつけ汁、味わいがどっしり安定した甘め強めの甘辛系であるために、ちょっとやそっとラー油を仕込んでも味が荒れません。
それどころかラー油を加えることで、ちょっと甘味が強いかなあというバランスを辛め方向にシフトできます。
故にここは卓上のラー油を大量投入すべし。
ラー油に満たされてもなお、ぜーんぜんスープの美味しさ崩れないから大丈夫!!
さらにはつけ汁を弾きやすい麺が、ラー油によって俄然スープを拾いやすくなりますね。
いいじゃないこのアレンジ!!
辛く辛くして楽しみたいラーメンとして、これまで麺屋中川グループさんの味噌油そばが最高峰でしたが、つけ麺部門ではこの作品がマスト!!
楽し過ぎてかわいすぎます!!
2012odo