■めんりすと く・ろ・ど・り(2012/03-ver.)
feat 2012/03/xx 20:28:00
めんりすとさんの芳醇系というとし・ろ・ど・りという名作があり、これはもう私の人生が変わってしまった程の内容でもあるのですが、そのし・ろ・ど・りが塩の芳醇系であるのに対して、醤油の芳醇系がこの作品です。
最近のめんりすとさんの白湯スープが鶏と豚の白湯から豚寄りの鶏と豚の白湯に変化し、また芳醇系に魚介出汁を使わなくなったことによって以前とは違った表情のスープに仕上がっています。
もちろんこのく・ろ・ど・りもその変化は顕著。
今年2月より、チャーシューが三島豚の高級チャーシューに変化しただけでなく、スープの肉の旨味もさらに高まっています。
今回頂いたく・ろ・ど・りも、以前より一層醤油ダレと白湯スープの調和具合が高くなった印象です。
多くの醤油豚骨系のラーメンが、醤油ダレの甘味と塩気で旨味を濃厚に感じさせるタイプにあると思うのですが、めんりすとさんの場合には砂糖すら厨房にないというお店ですから、当然調味料による甘味などあるはずもなく、化学調味料で味の骨格を成す様な一般的な醤油豚骨にもなるはずがなく、そのことがむしろ一般的に期待される醤油豚骨(めんりすとさんの場合には醤油鶏豚骨だけどね)とはやや離れてしまい、いくらか食べる側を選ぶ作風だったように思います。
が、今回のマイナーチェンジでは白湯の動物感がぐっと高くなり、さらには魚介を使用しないために味わいがシンプルになった分だけすとっと前に出るタイプに変化しています。
そのため以前よりも、めんりすとさんでしか味わえない「コクの綺麗なこってり系ラーメン」の魅力がより一層伝わりやすくなっているのです。
もちろんし・ろ・ど・りは塩の個性により、スープの旨味がストレートに伝わってくるのですが、く・ろ・ど・りは醤油という個性によりいくらかのひねりのある旨味の伝え方をしてくる作品です。
しかし、それでもなおスープの重心がより定まったている分だけ、敢えて品のない表現をするならば「わかりやすい美味しさ」が感じられるようになったのです。
スープを一口すすれば、トッピングされたゴマの香ばしさがスープから肉の香ばしさを引き出すように感じられ、ジューシーにローストされた肉が持つ香ばしさがスープからくっきり浮き上がります。
それでいながらスープのキメは荒れることはなく、やはりめんりすとさんらしいスープの滑らかな重厚感は崩れることを知りません。
スープからは豚を主体とする動物の旨味が感じられ、これが醤油の酸味や辛味といったものうる~っと展開するに合わせて、舌にその魅力を転がします。
この感じ、このお店の独壇場となる魅力ですよね。
醤油ダレが導く酸味で動物の旨味を立てる感じって、ちょっと他で味わったことがありません。
醤油豚骨ラーメンで美味しいと評価されるものの多くが、いくらかのジャンキーさとチャイルディッシュさを意図的に強調しているのに対し、めんりすとさんの徹底したアダルティーな作風は、やはり個性的であり、上等さを突き付けられるもの。
LEONという雑誌で醤油豚骨系ラーメンを紹介するとしたら、ずばりめんりすとさんのく・ろ・ど・りしか考えられませんねって思うわけです。
ガテン系の男っぽさではなく、ちょい悪オヤジの渋さを強調した男っぽさが感じられるラーメンです。
とりあえず私の中では今までで一番美味しいく・ろ・ど・りでした。
私個人の好みでいえばし・ろ・ど・りは別格として、同じく白湯醤油系の現行と・り・ぶ・し(白湯醤油+魚粉+マー油)が、こってりラーメン史上屈指のクオリティーであるために、やや紹介頻度が少なめになりがちなく・ろ・ど・りですが、この個性と美味しさは必食に値するべきもの。
是非是非さらに美味しくなったく・ろ・ど・り2012/03ver.を堪能あれ!!!!