■めんりすと と・り・ぶ・し 2012
FEAT 2012/03/XX 20:44:09
今月に入り白湯が濃厚に、さらには魚介色をなくし鶏よりもやや豚寄りにアレンジされています。
この新しい白湯スープが、マー油をトッピングされた濃厚魚介鶏豚骨醤油ラーメンで完全マリアージュを成しています。
めんりすとさんの芳醇系ラーメンに対して、綺麗でなくてもいいからもっと濃厚であって欲しいと思っていた濃厚民族の方々には特にお薦めしたいですね。
臭みを感じさせずに、臭みを感じさせる濃厚ラーメン以上に、旨味の圧力を魅せる美味すぎるこってり系ラーメンですよ、これ!!
スープを飲めば、その美味さに呆然自失!!
ってか、生まれて初めてここまで風味の展開と舌触りの展開を同時に楽しませるオペラチックなラーメンを楽しみましたよ。
口当たりにはトッピングされたマー油の味わいが香気を伴ってすっと舌に苦味を感じさせます。
しっかりと深い苦味を伴いながら、不思議とその風味の輪郭を荒々しくせず、スープに適度に調和させながらそのアクセントたる味わいを舌にじわり溶け込ませます。
するとマー油の香りを起点にしながら、白湯スープの豊満な味わいがどっと口の中に溢れます。
これは素晴らしい白湯スープ!!
豚骨だけでないために、味わいが平面的にならず、すっと立ち上がるような味わいを持っているのは鶏の個性があればこそ。
ずしっとくる豚骨の旨味に、鶏の彩り豊かで縦に伸びやかな動物の旨味が共鳴することで、味の強さだけが先行せず、弾力ある肉肉しい質感によって旨味の圧力を覚えさせるところが・・・・、素晴らし過ぎますよっ!!!!
調味料で動物の味わいをグイッと固く押し出す様な安易さはまるでなく、調味料で動物の臭みを誤魔化すこともせず、圧倒的に肉弾的な旨味によって感性をのめり込ませるスープですね、これ!!
鶏と豚の油脂の豊満さが覚えさせるいくらかの甘みもまた良質!!
甘味と塩気で食わせるこってり系にありがちなチープでわかりやすい甘みではなく、ちゃんと甘旨さを伴いながら舌でとろけ、頬を広げるふくよかな性格。
後味の素晴らしさも勿論究極。
一瞬のダレもなく見事な風味展開が継続されます。
醤油ダレのもつ香ばしくも熟成感により丸みと憂いを伴う辛味酸味が、魚粉の持つドライで旨味を引っ掛けるタイプの辛味渋味と見事に調和し、中盤に主体的に表現された白湯スープの動物の旨味をさらに押し出してくる印象。
白湯スープの旨味よりも、醤油や魚粉の旨味が低域でいくらか暗く深いコクを作ることで、白湯スープが対比的になめらかさを舌に感じさせます。
後味をやみくもに引きずることはなく、醤油と魚粉のキックによって白湯スープも一瞬の輝きとともにすっと溶けていくと、次の瞬間っ・・・
ふわっと浮かぶ、マー油の香気の美しさったらないですよ!!!
バツグンだよ、バツグン!!
ここまで意味のある展開を表現するラーメンは他にないです!!
味の展開だけでなく、舌触りや香りの展開まで同時に感動させられるラーメンなんて他にありました????
マー油の細かく粒立った舌触りは、白湯スープの滑らかな舌触りに展開し、後味では醤油と魚粉の持つザラッとした旨味を重ねます。味わいもまた白湯スープの旨味の立ち上がりを、マー油のアクセントが助け、後味では醤油と魚粉の張りのあるコクが差し込むという展開。
香りもまた完璧です。臭みがないからこそ楽しめる良質な動物の個性、そして何よりポイントを抑えたマー油の美しい香気・・・。
この作品の狙いどころの高さは、超絶以外の何モノでもなし。
もしこってり系のラーメンにも興味があるのなら、是非ともお試しあれ!!!
それにしてもく・ろ・ど・りがここまで美味しく進化するとは驚きましたね。
めんりすとさんの2012年の作品のヤバさは半端なし。
2012めんりすとを未食という方に言いたい!!
2011の完成度をさらに高め、明らかに2011の延長線上にありつつも同時に良い意味で別物に到達しためんりすとラーメン・・・、これぞ必食です!!