漫画「トリがみさま」第66回
(2021.8.4)
最初のお話はこちら→ トリがみさま ①
前回のお話はこちら→ トリがみさま 65
輝く光輪は吸い寄せられるように
トリがみさまの頭上に飛んできた。
もとの光輪とは似て非なるものであるにもかかわらず、
トリがみさまは懐かしい気持ちでいっぱいになった。
光輪はトリがみさまの頭上でぴたりと止まると、
ひときわ強く輝き、徐々にその光を収めていった。
トリがみさまはなんだか体中が温かくなる心持ちがした。
そのときトリがみさまの「智、徳、仁」
すべてのパラメータが大きく上昇していた。
なにやら神々しくなったトリがみさまに
賢そうな鳥もいたく感じ入った。
希代の刀鍛冶の最後の仕事に
これ以上ふさわしいものがあろうか。
トリがみさまは鍛冶の小鳥たちに
心から感謝の気持ちを伝えた。
小鳥たちは寡黙な職人ゆえ、
黙ってうなずくのみであったが、
その瞳には満足げな光がたたえられていた。
つづく