最近、創作作業をしながら落語を聞いている。
実際にあった不思議な体験を集めた朗読を聞くのも好きだが、
落語のおもしろさに目覚めた。
といっても初心者で、ひいきの落語家がいるわけではない。
桂枝雀は早口で、擬態語が多くてテンポがいい。
桂歌丸は、聞きやすい。
日本のお笑いは、漫才ブーム(いったい何年前のことだ?)の頃はおもしろく笑っていたけれど、
だんだん、同じフレーズを繰り返して笑わせたり、誰かを貶めて笑いをとったり、
人を笑わせるより、人に笑われているようなお笑いが出てきて、見なくなってしまった。
落語の、そこはかとないおもしろさはクセになる。
こんな噺がある。
昔、念入りな殿様がいて、家臣を集め、密談といって高輪沖に船を漕ぎださせた。
なにごとかと家臣らが気を引き締めて聞けば、屋敷の空き地に豆を植えたい、と言う。
さほどのことでもないのにどうしてこんなところまで、と尋ねたら
「鳩に聞かれとうない」
『疫病神』はこんな噺。
何人目かの女房にも逃げられるほど怠け者の男は、20銭ずついろんな人から借りている。
なぜ20銭かといえば、返してほしいと思っても、言いづらいぐらいのはした金だからである。
もちろん男には返す気などさらさらなく、相変わらずたいして仕事もせずブラブラしている。
男がある夜、ふと目を覚ますと枕元に痩せた男が座っていた。
聞けば自分は貧乏神なのであるが、おまえさんに働いて欲しいと思って出てきた、という。
「貧乏神ってのは貧乏なやつのところにいるんだろ、働いたら貧乏じゃなくなって困るんじゃないか」
と男が言うと貧乏神は、
「何をおっしゃいます、あたしら貧乏神は人さまの稼ぎを吸い取って暮らしとります。
おまえさんのように殆ど稼ぎがないと、あたしは吸い取るもんがなくなって困るんでございますよ」
「ふん、働くったって道具がねえ、とっくに質に入れちまった」
「なんとまあ情けない・・」
結局、男は貧乏神に借金をして道具を質屋から受け出したが、働いたのは最初のうちだけで、すぐに怠け者に逆戻り。
見かねた貧乏神が、内職をし始める始末。
しかしまったく悪びれることもなく、内職の金を無心する男にほとほと嫌気がさして、
貧乏神は家を出て行くことにした。
別れ際、さすがにしんみりした男は言った。
「おれぁ何人ものカカアと暮らしたが、おまえが1番気が合った・・」
バカ笑いするようなおかしさじゃない。
フフッ・・とほんのり湧きあがり、あとで思い出しても何度もフフッとくるおかしみがいいのである。
<おまけ>
夕食を食べに行ったレストランのメニューが、なんか変。

来たのは初めてじゃないけど、なんか変だと気づいたのは今日。
スシロールの「ー」も、縦書きなのに横棒だ。
誰か言っておあげよ・・・・