『せどり男爵数奇譚』 | 胡晴の記憶の本棚

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読んだ本やその日あったあれこれ

2006年6月に出版された、梶山季之(としゆき)さんの

『せどり男爵数奇譚』 を読み終わりました。

 

初出は昭和49年に『オール讀物』に連載。

その後、桃源社、河出書房新社などで単行本化や文庫化されたよう。

ちなみに私が読んだのは、筑摩書房のものです。

 

本の内容としては、

本が好きすぎて少々ねじがはじけ飛んだ人々が多数登場している小説です。

 

目当ての本を手に入れるためならば、人をだますこともいとわない。

 

本を手に入れるために盗みに入ろうとしてけがをしたにもかかわらず、

告訴して膨大な賠償金を吹っかけてきて、

目的を果たそうとするヤッスーン夫人の話や、

ゴミの山から貴重な本を見つける話などもあり。

 

全体的に楽しめましたが、

本の装丁している人の話が生理的に気持ち悪くて受け付けなかった。

皮を使う話よりも布の時代の材料が。

変態が過ぎるよ! と言いたい。