『浅草公園 凌雲閣十二階  失われた<高さ>の歴史社会学』 | 胡晴の記憶の本棚

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読んだ本やその日あったあれこれ

2016年2月に出版された、佐藤健二さんの

『浅草公園 凌雲閣十二階  失われた<高さ>の歴史社会学』

を読み終わりました。

 

明治時代に建てられ、関東大震災で8階以上が崩れ落ち、

工兵によって爆破された建物、凌雲閣について書かれた本です。

爆破の模様を寅彦さんも、見物しに行っていたようです。

物理学者だから興味ありそう。

 

本の後半は、建設計画や出来事が新聞などに掲載された文章を紹介しながら、時系列で説明しています。

十二階の研究者喜田川さんの語りもあり。

目玉だったエレベーター(エレベートル)が思うように動かず、

開始のスケジュールが遅れまくり(経営者は資金の問題だと主張しているが)、苦労した様子がうかがえ興味深かったです。

明治40年ごろになるとお客さんが減り、自殺するものが現れて、

維持していくのが大変だったようです。

 

浅草公園の記載もあり。

凌雲閣で行われた美人コンテストについても、詳しく紹介されていました。