気分が乗ったら♪クラシック

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11Jan
- 今年最初のコンサート
  今年初めてのコンサートに行ってきました。山田剛史ピアノリサイタル。本来は去年の4月に行われる予定のリサイタルでしたが、コロナの影響で延期になったものです。オールベートーヴェンプログラム。演目は悲愴ソナタ、月光ソナタ、テンペスト、ワルトシュタインの四ソナタが年代順に並べられた中に幻想曲op.77が挟まれた重量級プログラムでした。時代を追ってベートーヴェンの見た世界を垣間見る魅力的な構成です。ベートーヴェンは古典の常識を打ち破った革新的な作曲家。ロックの世界ですね。荒々しさとクールさが絶妙に混じった素敵な演奏でした。大好きなワルトシュタイン。最後のコーダはオクターブのグリッサンドでした。ベートーヴェンの弾いてたエラールではともかく現代のピアノではとても難しいらしいですね。一年の初めから素晴らしいコンサートを味わうことができました。去年行けなかった分今年はコンサートに足を運びたいと思います。
29Dec
- 今年もお世話になりました。
  今年はコロナの影響でコンサートにはほとんど行けず、とても残念な一年ではありました。中でも兵庫県立芸術文化センターでのクレーメルとアルゲリッチのディオリサイタルが中止になったのはとても残念です。来年はぼちぼちコンサートも復活しそうなので、色々行きたいです。今年の唯一とも言えるコンサート、長男の部活の発表会ですが、高校のクラシック研究部冬のコンサートに先日行ってまいりました。コロナのため保護者関係者のみのクローズな開催でしたが、みなさん素晴らしい演奏ばかりでとても楽しい時間を過ごすことができました。音楽高校でもないのにレベルがむちゃくちゃ高く、感動しました。いっぱい動画をアップしたいですが⤴️他の生徒も映っているためうちの長男の演奏だけ掲載します。来年の春のコンサートが彼にとって最後の発表会になるそうで、今選曲に勤しんでいます。今回はリストのスペイン狂詩曲に挑戦しました。伴奏を含めて今回は六曲弾きましたがよく頑張ったと思います。来年もどうぞよろしくお願いします。
07Oct
- 結局モーツァルトはこれ
  モーツァルト　後期4大交響曲第38番「プラハ」第39番第40番第41番「ジュピター」ルネ・ヤーコプス指揮フライブルク・バロック管弦楽団2006年8月録音　インスブルック、フライブルクモーツァルトの後期交響曲はいろいろ聴いたけど結局これ。ジュピターの躍動も40番の緊張も素晴らしいけど38番プラハがこんなに素敵な曲だと初めて知った。数年前にわざわざ予約までして買ったCDですが予想通りというか予想以上の素晴らしい音楽でした。録音もとても良いしアンサンブルも整っていて清々しい感じです。ブリュッヘンを聴きすぎてモーツァルトのピリオド演奏にちょっと飽きていたので、チェリビダッケの重厚な演奏をよく聴いていましたが、やっぱりこの小回りの効いた躍動感のある演奏がモーツァルトには必要ですね。もしまだお聴きになっていない方がいれば強烈にお勧めします！
23Sep
- チャールズ・ゲルハルトの映画音楽集
  チャールズ・ゲルハルト　コンダクツ　クラシック　フィルム　スコアーズナショナル・フィルハーモニー管弦楽団1972年〜1976年録音チャールズ・ゲルハルトはイギリスの指揮者🇬🇧ステレオ時代のストコフスキーも録音を残したナショナル・フィルの創設者です。ヤッシャ・ホーレンシュタインに師事し、交響曲なども指揮したようですが、残されている録音は映画音楽と小品集に限られているようです。ゴールウェイのフルートの伴奏で残したCDはそれほど存在感を感じさせるものではなかったですが、この映画音楽集はなかなかの思い入れを感じます。12枚のシリーズで特に「風と共に去りぬ」組曲は何度も聴くほど気に入ってます。映画の方は見たことはないのですが。マックス・スタイナー、バーナード・ハーマン、ティオムキン、コルンゴルド、アルフレッド・ニューマン、フランツ・ワックスマン、ミクロシュ・ロージャなど映画音楽の大家と言われる作曲家の作品を網羅的に聴ける(それもかなり高い芸術性で)ことがこのBOXの素晴らしさではありますが、このBOXの一番の素晴らしさはなんといっても20世紀フォックス、ワーナーブラザーズ、セルズニック、そしてMGMのファンファーレ(獅子の咆哮付き)がしっかりと録音されているところですね。シンフォニックオーケストラで堂々と演奏されるファンファーレは感涙ものです。(後にジョン・マウチェリも同趣向でハリウッド・ボウル管弦楽団を指揮して往年の映画音楽をファンファーレ付きで録音していますが、音楽の深度が違います。)私の年代ではMGMのライオンで思い出すのは、音楽が違うけどトムとジェリーですけどね。
19Sep
- プーランク　歌劇「人間の声」
  フランシス・プーランク作曲　歌劇「人間の声」FP171１幕もののモノドラマ。叙情悲劇と名付けられています。歌劇といえどもアリアや歌らしきものは全く出てこず、最初から最後までセリフ（演劇）だけで演じられます。出演者はソプラノただひとり。歌劇としては全く異色の作品です。原作はジャン・コクトー。１９５９年２月にドゥニース・デュヴァルとジョルジュ・プレートルの指揮によりパリで初演されました。シロフォンによる電話のベル音に呼び出され、彼女（ソプラノ）は受話器を取ります。電話の相手は元カレ。一方的に別れを告げられた相手です。最初は「あなたがいなくても大丈夫」と強がっていたのですが、だんだん未練がつのってきてあなたと別れたくない。このままだと死んでしまう。私と一緒に行ったペンションに彼女と行かないでね。さようなら。もう声を聞かせないで。と受話器のコードを自らの首に巻いてこと切れるという結構シリアスなドラマです。一見いろいろな脚色で今でも舞台に上がりそうな作品ですが、例えば携帯電話に置き換えて新しい脚本を書いたとしても、電話交換手や通信不良による混線・断線というこの作品のキーを握る演出が今の時代においてリアリティを阻害する結果になるのですね。何度も断線しないと、このドラマは約５分で終わってしまうのです笑一人芝居をオーケストラと合わせて演じるというのはなんとも贅沢ですが、難しい試みでありしょっちゅう舞台に上がるものではありません。名曲というか歌唱もないし笑さながらソプラノとオーケストラによる協奏曲と言えるかもしれません。BGMとして楽しむ種類の音楽ではありませんが、歌詞カードと訳詞を見ながら感情移入するのは楽しいと思いますよ。初演まもなく１９５９年４月に初演者と同じメンバーで録音されたこの演奏がベストだと思います。デュヴァルは本当にプーランクの作品に欠かせない歌手ですよね。プーランク　／　歌劇「人間の声」FP171ソプラノ：ドゥニース・デュヴァルジョルジュ・プレートル指揮パリ国立オペラコミーク管弦楽団１９５９年４月録音
07Sep
- クレンペラーのマーラー4番
  今日は仕事のBGMにクレンペラーのマーラー4番アバドのマーラー5番ルツェルンアバドのマーラー9番ルツェルンマーラー聴きながら仕事なんかできるのか？と思われる人もいらっしゃるでしょうが私の場合これがちょうどいい長さで気分も上がっていいんです。特にクレンペラーのマーラー4番フィルハーモニア管弦楽団との有名な録音ですが、とてもゆったりした演奏で他の演奏とは一線を画する雰囲気を持っています。ユーモラスに聞こえる部分でさえクレンペラーがやると淡々としていて全く感情の欠落したような落ち着きぶりですが、特に中間の2つの楽章が素晴らしいです。第9番も聴き慣れたアバドは正当派だと思うのですが、クレンペラーのは硬質ながら美しさ、儚さを前面に出した名演。私はクレンペラーを聴いてこの曲の良さを発見しましたよ大地の歌も名演ですが、一番多く録音した第2番と第7番は未聴ですので、ボックスを買おうか(ダブりが生じるので)思案中です。
27Aug
- ジャズコンボと管弦楽のための対話
  ハワード・ブルーベック作曲ジャズコンボと管弦楽のための対話デイヴ・ブルーベック・カルテットレナード・バーンスタイン指揮ニューヨークフィルハーモニック1960年ニューヨーク　スタジオ録音ジャズとクラシックとの融合は名曲もいろいろありますが、デイヴ・ブルーベック・カルテットとNYPがコラボしたこの録音はレアではないでしょうか。指揮はバーンスタイン。作曲したのはデイヴの兄　ハワード。四つの楽章からなるディヴェルティメントで、中間の2楽章はバラッド、最終楽章はブルースと名付けられています。音量やリズムなど大編成のオーケストラをジャズカルテットに合わせるのはとても難しいと思いますが、ここは録音のマジックもあってか絶妙にマッチしています。第一楽章はいかにもアメリカ🇺🇸というオケによるイントロで始まり、デイヴのピアノがノリノリで登場します。オケは終始サポートに回るのですがさすがここはニューヨークフィル。全員がジャズ身体に染み付いているんでしょうね。絶対にアメリカのオケでないと不可能だと思わせるぐらい絶妙の合いの手を聞かせてくれます。ポール・デズモンドのサックスもとても雰囲気がいいです！どんな曲でもテイクファイブに聴こえてしまうのですが、彼独特の音色を存分に楽しめます。このCDではバーンスタインのジャズ講座がたっぷり４０分も聴ける他、ルイ・アームストロングクインテットとオケによる合奏協奏曲「セントルイスブルース」という謎曲も聴けるという特典もございます。(演奏はバーンスタイン指揮のルイソーンスタジアム管弦楽団)こちらはLiveのようで、曲が終わった後アームストロングのスピーチもついていてとっても楽しいです。なかなか手に入らないCDですので見つけたら即買いですよ！
22Aug
- ケイメンのギターコンチェルト
  マイケル・ケイメン作曲ギターコンチェルトギター／布袋寅泰マイケル・ケイメン指揮ナショナルフィルハーモニーマイケル・ケイメンがエリック・クラプトンのために書いたと言うギターコンチェルト🎸ケイメンもまたクラシック音楽をロックに持ち込んだ偉人。布袋寅泰は僕ら世代のこれまた偉人であるが、布袋とケイメンの接点がなんだか不思議な気がします。前回紹介したイングウェイほどギターが前に出た曲ではないけどより官能的な響きで酔わせてくれます。安心して聴けるクラシック音楽です。こちらはオケとギターのほかに、ベースやキーボード、ドラムスも参加していますね。この手のクロスオーバー企画はオケとソロが別撮りであることがいつも残念ですが、まぁ一発どりは仕方ないですかね。音量のバランスも難しそうですし。しかし意外とオーケストラとエレクトリックギターって相性いいんですよね。
09Aug
- チョンキナ　チョンキナ　チョンチョンキナキナ
  ♪ちょんきな　ちょんきな　ちょんちょん　きなきな　ナガサキ　ヨコハマ　ハコダテ　ほい♪誰もが知っている（とは思えない）シドニー・ジョーンズのオペラ『Ｇｅｉｓhａ』の一節。当時（明治時代）日本で流行っていた戯れ歌が、オペラでは日本をイメージする一曲として使われています。歌っているのは若い芸者「ロリポリさん」この時代のオリエンタル趣味のオペラって変な名前の日本人が多いですね。「ミカド」のピープ・ポーとかヤムヤムとか「芸者」ではミモザさんとかカタナさんとか・・サリヴァンの喜歌劇「ミカド」と同様、シドニー・ジョーンズの「芸者」も日本趣味のオペラとして大いにもてはやされたとか。「ミカド」に比べたら「芸者」の音楽の質は全然届かないような気がしますね。まぁシナリオの質はどっこいどっこいですけど・・流行歌対決では「チョンキナ」が「宮様宮様」を一歩リードしている感じですが。「The　GEISHA」　には　A story of a tea house　という副題がついていてまさに「お茶屋さんの物語」で間違いではないんですけどこの曲がもてはやされたのはイギリスですからね。。。TEA　HOUSE　の意味がなんか正反対に違うんではないかと思ってしまいます。ともかく　このオペラを日本で生で見ることはおそらくないでしょうからＣＤで楽しむしかないんですけどなんとも締まりのないこの演奏しか存在していないのではないでしょうか・・あんまりオススメするほどのCDでもないですけど「日本趣味」をコンプリートしたい方ドイリーカートオペラがお好きな方「ちょんきな」が気になって眠れない方にはオススメしておこうと思います。シドニー・ジョーンズ作曲　歌劇「THE GEISHA」リリアン・ワトソン（ソプラノ）他ニューロンドンライトオペラ合唱団ニューロンドン管弦楽団指揮：ロナルド・コープ1998年ロンドン・ヘンリーウッド・ホール
28Jul
- エレクトリックギターとオーケストラのための協奏組曲変ホ短調「新世紀」作品１
  イングウェイ・ヨハン・マルムスティーンエレクトリックギターとオーケストラのための協奏組曲変ホ短調「新世紀」作品１ギター:イングウェイ・ヨハン・マルムスティーンヨエル・レヴィ指揮チェコフィルハーモニー管弦楽団1997年6月　プラハ王者イングウェイが本気で取り組んだクラシック音楽。バッハのピアノ協奏曲第一番のレコードに針を落として以来クラシックにも多いに影響を受けたイングウェイは長い期間本格クラシック音楽を書こうと準備を整えていたらしい。彼のギターは確かにクラシック的な風格が高いものであった。イングウェイがクラシックの音楽を書くのは必然的であったとも言える。で、肝心の本編であるが、「イカロス・ドリーム・ファンファーレ」から始まり12曲の組曲となっている。全編にわたりバロック音楽の形式を踏襲している。もちろん速弾きだけでなくエモーショナルに歌う部分も多くあり聴きどころは多い。ギター以外のエレクトリック楽器(ドラムも)を使っていないのが純粋クラシックファンを唸らせてくれる要因である。このアルバムでロックファンがクラシックにも興味を持ってくれるということにはならないと思うが(イングウェイ崇拝者からしたらこの路線は既定の流れだから)この曲はクラシックファンにこそ聴いてもらいたいそんな音楽である。
13Jan
- ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第32番ハ短調
  ベートーヴェンの最後のピアノソナタ第32番ハ短調op.111は1821年から1822年にかけて書かれました。この曲はベートーヴェンのピアノソナタの集大成であり、もはやこの世のものと思えないほど儚く美しいアリエッタ主題の変奏曲をその最終楽章に持ちます。最終楽章と言ってもこの曲は二楽章で構成されているのですが、毅然として劇的な第一楽章とは対照的な雰囲気を持っています。序奏に続く第一主題の印象的な三和音はこの曲を特徴付ける重要な要素です。ここの弾き方でこの曲にどう対峙するのかわかる気がするのです。この第一楽章は速く弾いてもゆっくりと弾いてもカッコよくしかならないので、それぞれの演奏が素晴らしいのですが、私はシュナーベルのちょっと力を抜いたような演奏が好きです。エリー・ナイのベートーヴェンが弾いた歴史的ピアノでの録音もこの楽章は素晴らしいのですが、さすがに第二楽章になるとピッチが狂うのかトイピアノみたいな音になって、そっちが気になりすぎて音楽に集中できません。ベートーヴェンが最後に書きたかったのはこの曲というわけではなく、ディアベリ変奏曲が真の集大成かも知れませんが、私はディアベリ変奏曲よりこの曲の方がずっと素晴らしいと思います。実験的な和音、即興を思わせるシンコペーション、それからリズムを印象付けるスフォルツァンドの効果で、「ベートーヴェンがジャズを発明した！」なんていう方もいらっしゃいますが、確かに第二楽章の第三変奏は初めて聴いたときは驚きました。よく聴くとその前の変奏でもどこかブルースのような響きを聞かせてくれますが、第三変奏32分の12拍子の部分は「ベートーヴェンさんどうしちゃったの？」と思うほどスウィングしているのです。違和感といえば違和感ですが、真面目堅物(というイメージの)バックハウスやミケランジェリでもこの部分はどこかノリノリです。第二楽章だけで言えばポリーニの演奏が素晴らしいですね。誰よりも(グルダよりも)ジャズっぽいけど最後の静寂まで緊張感と遊び心が同居した稀有な録音だと思います。正直後期のピアノソナタ29、30、31はどちらかというと苦手であまり聴きませんが、この32番は聴くたびに新たな発見があって、大好きな曲です。
05Jan
- ベートーヴェンのワルトシュタイン　
  ベートーヴェンの３２曲のピアノ・ソナタは素晴らしい財産ですが私が一番好きなのは第２１番「ワルトシュタイン」です。ベートーヴェン／ピアノ・ソナタ第２１番ハ長調Ｏｐ．５３「ワルトシュタイン」いま聴いているのは『ヴィルヘルム・バックハウス最後の演奏会』と題されたＣＤその名の通り１９６９年６月２６日、２８日にオーストリアオシアッハ湖畔のシュティフト教会で「ケルンテンの夏」音楽祭の最初のコンサートの記録。巨匠バックハウスは２日目のコンサートの半ばで心臓発作により演奏を中断。その７日後にはこの世を去るのである。最後の演奏会の模様がデジタルライブ録音で残されているのはとてもありがたいことである。さて、６月２６日の演奏会で弾かれたのがこのワルトシュタイン。ベートーヴェンの権威と言われたバックハウスではあるが流石に体調のこともあるのか早いフレーズや和音でミスタッチが目立つ。しかしながら第１楽章ソナタの出だしから全く堂々としたものである。さすがはバックハウスだ。第二テーマはゆっくりと噛みしめるようにコントラストの付け方が絶妙である。第２楽章の導入部は堂々として重厚。主部のロンドの充実度はまさに圧巻である。これで引退というような枯れた響きには聞こえない。いや。枯れているのだけど血気は漲っているのだ。それが表面に現れていないのでその凄まじさが際立つ鬼面の演奏なのだ。ベートーヴェンはこの曲を作曲する頃エラールの新しいアクションのピアノを手にしたという。新しいアクションのピアノは鍵盤がより重くなったと言うから最後のコーダのオクターブのグリッサンドは演奏至難ということになり（いまではほとんどのピアニストが運指によるスケールで演奏している）エラールのピアノを使って作曲していない説が有力であるが、私はベートーヴェンがあえて重い鍵盤でグリッサンドを試みたと信じたい。なにせ彼は音楽の革命児だから。（バックハウスもさすがにここは少しテンポを落としてアルペジオで弾いています。）バックハウス最後の演奏会であるという先入観を差し引いてみても、この録音はワルトシュタイン演奏史の一つの金字塔であることには間違いないと思う。そして名作揃いのベートーヴェンのピアノ・ソナタの最高傑作にして最高の演奏という地位を私はこの演奏に見たのである。
19Sep
- 子どもの脳力がグンと伸びるニュースレター
  こんにちは😃先日ちょっとお知らせしたところですが子どもの脳力がグンと伸びるニュースレターというものをLINEで始めました。もしLINEをお持ちでしたら是非ご参加ください！週2回のペースで配信しております。
08Sep
- アイネ・クライネ・ニヒト・ムジーク
  これをジョーク音楽と侮るなかれ。アイネ・クライネ・ニヒト・ムジークつまり「小さなひとつのこれは音楽ではない」作曲はP.D.Q.バッハ。これはピーター・シックリー教授が創作した架空の人物。大バッハの21番目の息子という設定。彼の作品の中では比較的有名な作品ですが、アイネ・クライネ・ナハトムジークを下敷きにして古今東西のクラシック音楽、童謡、大衆歌、モチーフを全編に散りばめたキラ星のようなコラージュ音楽でして、一度耳にすると最後元のモーツァルトの曲がマトモに聞けなくなってしまうほど印象深く強烈でパンチの効いた楽曲です。フレーズの挿入の仕方(コラージュ部分は殆ど木管楽器と打楽器のパートですが。）が絶妙で、調やリズムが違ってもなんのその！「あ、あの曲なんだっけ？」と思い出すことは海馬をはじめとした脳力のアップにピッタリではないかと思うわけです。あくまでもジョーク音楽と位置づけられている間は楽譜や色々な録音は出回らないと思いますが、作曲者の指揮で出ている演奏はとてもステキです。彼には同様の趣旨の音楽に「未開始交響曲」という作品もあり、こちらはモーツァルトのジュピターを下敷きにしたコラージュ音楽もあり、こちらもクスッと笑いながら脳力も鍛えられるステキな作品です。
02Sep
- ショパンの薔薇助
  バラスケを一括りで評価するのはとても難しい。バラード４曲とスケルツォ４曲それぞれに個性的で全てが名演！という録音はなかなか見つからない。しかしながらショパン弾きのCDはこの８曲がセットになっていることがとても多いので、いわゆるバラードの名盤は？とか一纏めにされる傾向にあります。バラスケのベスト演奏どころかバラード４曲のベスト盤と言ってもなかなか見つからないし、スケルツォも同じです。そしてワルツ集や前奏曲集と違ってこの４曲を(ましてや８曲を)続けて聴くのは大変な苦行であると。それほど中身が濃いんですよね。個人的な好みですがバラードはツィマーマン。ただし第１番だけはアルゲリッチの方が好きです。より雄弁だから。ツィマーマンは綺麗で端正だけど第１番のアルゲリッチの鬼気迫るような迫力がたまりません。スケルツォは悩みますね。カツァリスが一番聴くかも。ちょっと麻薬的な演奏です。この人の演奏だけ楽譜が違うんじゃないかと思うぐらい。スケルツォに関してはポリーニもなかなか良いです。バラードはあまり感激しませんでしたがね。スケルツォだからと言って諧謔が過ぎると薄っぺらく感じるのですよね。淡々と弾かれるスケルツォの方が私は好きです。ツィマーマンやルービンシュタインはバラードが素敵ですが、スケルツォはもうひとつ。ポリーニやホロヴィッツはバラードより断然スケルツォ。こう考えるとバラスケの組み合わせってピアニストにとってとてもチャレンジャーな気がします。まぁ、ピアノを弾かないから好きなこと言ってますがね。
01Sep
- ショパンのワルツ集
  ショパンのワルツ集はとても大好きな曲集で、たまにCDを取り出しては浸っています。１番から１４番まで続けて聴き通す場合でもそれほど長い時間ではないし、この曲の流れがとても幸せなんです。私は１５番以降は滅多に聴いていません。リパッティ(ブザンソン最後のライブ)やブーニン(スカラ座ライブ)は順番を入れ替えて録音していますがちょっと違和感が。。でもどちらも名演だと思います。僕が大好きな録音は何と言ってもツィマーマン！堂々として雄弁なのにワルツの軽やかさが際立っていて愉しさ溢れる元気の良い演奏です。僕には正統派と言われるポリーニやアシュケナージのワルツ集のどこが良いのか未だ解りません。ワルツ集の正統派はどう考えてもツィマーマンだろうに！しかし残念なことにこの録音。LPで発売されたまま未だにCD化されていません。訳があるのでしょうが残念なことです。正統派とは言えないけど、僕が好きなもう一つのワルツ集はサンソン・フランソワです。こちらはまさにフランスのエスプリ🇫🇷ショパンがパリで活躍していたことを考えるとパリの洒落たワルツはこのような雰囲気だったのかも知れません。(ショパンはウィーンを意識して初期のワルツを作ったようですが)大胆なアゴーギクというかテンポや強弱、音色が揺らめきツィマーマンと全く違ったアプローチで音楽の楽しさを伝えてくれます。まだ味わってないワルツ集で気になっているのがジャン・マルク・ルイサダの録音。特に２回のうち最初の録音がとても素晴らしいとネットでは評判ですね。次はルイサダを買ってみようかと思います。ルイサダの録音をお聴きになった方是非感想を聞かせてください！
18Aug
- 夏の夜にふさわしい恐怖のクラシック３選
  しかし暑いですね。年々暑い日の割合が増えているようです。夜になっても気温が下がらずこのまま地球はどうなっていくのでしょうか。この星の行く末を考えるとホラーですが今日は、一時的に体感温度を下げるようなホラーなクラシック音楽を３つご紹介します。※ホラーさ度合いはあくまでも私シロブタの私見です。２０１９年夏の世にふさわしいホラーな恐怖クラシック曲第３位　アルフレート・シュニトケ（1934-1998）作曲　ファウスト・カンタータ全篇が暗く憂鬱な雰囲気が支配する夏にピッタリの音楽です。シュニトケはソヴィエト生まれドイツで活躍した現代の作曲家ですが、初期はセリー技法やクラスター音楽などを駆使し、イカツイ現代音楽を発表していましたが、映画音楽にも本格着手した中期からはスヴィリドフやシチェドリンのような明快な音楽をたくさん書くようになりました。ファウスト・カンタータは「実伝ヨハンファウスト博士」の中からファウストの最期の一日を音楽にしたものだそうです。。。。が、ファウストの最期ってこんなに陰鬱だったのですね。。躯体は飛び散り部屋中血まみれでもはや人形の跡形もなく・・・ああ。こわい。怖いです。ホラーです。全篇３４分、死神が歩み寄るような低音のリズムと様々な打楽器による奇妙キテレツな音世界。クライマックスはこの曲の白眉第７曲「１２時と１時の間の」　まさにファウスト博士が死神に襲われる瞬間・・およそクラシックとは思えない迫力のあるメゾソプラノのシーン（ニナ・ハーゲンが歌っていそうなイメージ）身の毛もよだつほどに・・・恐怖です・・第２位　ロディオン・シチェドリン(1932-)作曲　バレエ音楽「アンナ・カレーニナ」より　アンナの死同じくソヴィエトの作曲家シチェドリン。彼の曲は大体が聴きやすく人気があるようです。彼の作曲したバレエでは「せむしの仔馬」や「カルメン」が有名ですが、「アンナ・カレーニナ」も代表作。奥様が２０世紀を代表するプリマドンナ　マイヤ・プリセツカヤ　であることも有名で、このバレエも彼女が振り付けをし初演しました。不貞でその身を滅ぼしたアンナは最期に汽車に身を投げて自殺するのですが、その瞬間を克明に描いたシーンは超絶リアルです。アンナの独白。踏切の警報音。迫る汽車の音。急ブレーキ。通過する列車。。。。( ﾟдﾟ )音だけで十分に恐怖を感じるそんな音楽です。第１位　シャルル・ヴァレンティン・アルカン（1813-1888）　すべての長調と短調による２５の前奏曲op.31より第８番変イ短調「海辺の狂女の唄」私の中で最も陰鬱で恐怖のクラシック音楽は間違いなくこの曲だとおもいます。Tristo（悲痛に）という指示で始まり、当時のピアノの最低音を使う沈んだ和音が弔いの鐘のように一定のリズムで鳴り響きこれまた当時のピアノの最高音域を含む単音で淡々と奏でるメロディー。これだけで空虚でホラーなのですが、中間部の発狂があまりにも恐ろしいのです(O_O)アルカンは総じて超絶技巧のピアノ曲を書いた、忘れられた大作曲家。かのショパンとは友人でありリストも一目を置いたという大ピアニストでもあったそうです。この時代にこんなシリアスな音楽が存在したとは驚きです‼️
28Jul
- 2019/07/28
  みなさん大変ご無沙汰しております。突然ですが私シロブタ、LINE公式アカウントで「子どもの脳力がグンと伸びるニュースレター」を8月1日から発行することになりました。僕の個人情報が露わになりますのでこちらのアメブロと本業とは一線を引いておりましたがアメブロでお付き合いをいただいている方々には教育関係の方、脳外科医、ファイナンシャル関連の方、文筆家、芸術家、建築家、不動産業など多様な方がいらっしゃいますので今後もご指導やコラボをお願いしたく宣伝させていただきました。不快な方はスルーくださいませ。クラシック音楽好きは変わりませんのでこれからもみなさんのブログを楽しみに拝見させていただきます！あ、こちらのブログも、コンサート体験を中心に時たま更新する予定です！
16Feb
- クルレンツィス／ムジカエテルナ大阪公演2／14 つづき
  一曲目のコンチェルトが終わるとパットは何度も聴衆に呼び出され、ソロによるアンコール。演奏の前に曲の紹介がパット自身の声で伝えられたが、あいにく僕の英語力は残念なものなので全容が聞き取れなかった。すんません。なんでも日本の現代音楽で、藤倉大と言うロンドンで有名な作曲家の作品。彼は大阪出身なのでパットからのおもてなしだったに違いない。私にとっては初めて聞いた曲そりゃそうだろう。これが日本初演だったようだ。ソロヴァイオリンが跳びまくる音楽。無調音楽ぽいけどどこか日本風。家に帰ってからYouTubeで別の人の演奏を聴いてみたが、それとは全然違った雰囲気であった。アンコールはこれ一曲。東京公演では何曲かアンコールがあったようなのでちょっと残念。パットの躍動をもっと見たかったなー休憩の後はメインディッシュの悲愴。しかしもう既にメインディッシュをいただいた後だったので、比較的リラックスして聴かせていただいた。今度はムジカエテルナのお決まりスタンドスタイル。立ったまま演奏するからか特に管楽器は大きな音が出ていたような気がする。チェロ、チューバなど一部の楽器は座ったまま。何度も聴いた悲愴のCDとはまた違った印象。録音は冷酷なイメージがあったが実演は実に温かい。しかしぞっとするような色気も散りばめられている。今までこの曲の実演で第１楽章のピアニッシシシシシモ(pppppp ピコ太郎じゃないよ)のバスクラリネットがくっきりと聞こえたことがないので全耳の神経を集中。身震いするほど凄かった！ソリストの力量がうかがえる！耳をすませていたのでトゥッティに油断した。この楽団は強奏が鋭い！ムラヴィンスキーのレニングラードフィルを彷彿とさせる(実演を聞いた事がないけどすみません)概して第1楽章と第4楽章の集中力が素晴らしかった。何というか弦がうまい。そして木管が超絶かっこよかった。第3楽章のマーチは勢いが凄く最後のクライマックスは今思い出しても涙が出そう。これはCDでは味わえなかった気分だ。絶対拍手の嵐だろうと思ったけどさすがは分別のある聴衆揃い。拍手をじっと我慢する緊張感がヒシヒシと伝わった。第2楽章の5拍子のワルツが平凡だったこと以外文句の付け所がない。第四楽章の最後弱音で終わったあとの沈黙が全てを語っている。テディが振り終わって固唾を呑む聴衆たち。およそ40秒はあっただろうか。咳払いひとつない静寂。この幸せな時間をもっと味わいたいとホールの全員が思ったのであろう。コンサートでこんな沈黙を味わったのも生まれて初めてである。拍手で沈黙を解くのが申し訳ないぐらいの気分だった。やがてテディが沈黙を破った。その拍手のすごかったこと。私は今でも思い出すと涙を禁じ得ません。アンコールはなかった。残念ではあったけどこれでよかったのかもしれない。何にも替えがたい感動の音楽体験をできたのだ。これで全て終わったのだ。と自分に言い聞かせるのに充分だった。本当にすごい体験だった。もうこんな経験はあまりできないかもしれない。私は歴史的な瞬間に立ち会えたのだ。感動を全て言い表すのに充分な表現を私は持ち合わせていないけど感動をどうしても伝えたくて久々のブログを書くことにしたのだ。長文で大変失礼致しました。
- クルレンツィス／ムジカエテルナ大阪公演2／14
  半年ぶりのフェスティバルホール。これほど心待ちにしていた公演もここんところなかった気がする。テオドール・クルレンツィス／ムジカエテルナ大阪公演inフェスティバルホール曲目チャイコフスキー／ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.35 Vn／パトリシア・コパチンスカヤ(アンコール)藤倉大／Kusmetche(2013)Vn／パトリシア・コパチンスカヤチャイコフスキー／交響曲第6番ロ短調「悲愴」Op.74ムジカエテルナとクルレンツィスにとってはロシア・ヨーロッパ以外の初の海外ツアー。もちろん日本へは初来日ということもあって、私の期待はマックスを振り切っていたが、空席もちらほら。それも5、6人固まった空席だったので団体席の埋められなかった分だと想像する。幸いにも私の前のS席は5席ほど空いていたのでとてもリラックスして音楽に浸ることができた。とてもラッキー！アンコールを除く今日の演目はすでに盤が擦り切れるほど(CDですが)聴き込んでその度に感動していたものなので、オケメンバーが入場した瞬間からもう興奮度が最高潮に達していた。会場の歓迎の拍手も他のコンサートと違う熱気を感じたのでおそらく大方の聴衆も同じ思いだったに違いない。一曲目。チャイコのVコン。コパチンスカヤ(以下尊敬を込めてパットと呼ばせていただく)は赤いスリッパで登場。一礼するとキチッと揃えて脱ぎ、裸足になる。これがパットスタイル。オーケストラの最初の音が鳴った瞬間、そのゾクゾクとした冷ややかでしかし情感の深い弦の響きで既に感涙。いかん。このままでは曲の終わりでは号泣してしまいそうだ。パットのソロが始まった。思ったより音量が小さい。これはCDを聴き込んだ弊害だと後で気づくが、よく考えると私が座ったのは一階席の一番後ろ。弦と指が擦れる音まで聞こえたと言うことは意図的に音量を抑えたのであろう。ゾクっとする響きはCDのようではなかったがそれでも生々しかった。指揮者のクルレンツィス (以下尊敬を込めてテディと呼ばせていただく)は指揮台には登っていない。ムジカエテルナは普段の公演では起立したスタイルで演奏するがこの曲はコンチェルト。全員着座スタイル。椅子が白でオシャレだった。クルレンツィスは真正面を向かず向かって斜め左。つまりコンマスとソリストと対峙する方向で指揮を振るう。タクトは持たない。ソリストが小柄なので長身がさらに際立つ。大巨人がオケを摑みかかるような大仰な指揮スタイル。これがテディのいつもの所作なのだろう。パットは全くの自由な演奏。テンポやリズムも完全に即興性が溢れる。CDとはまた違う表現がたくさんあり、おそらく一回一回演奏表現が違うのではないかと感じた。その場の雰囲気に合わせてね。普通に考えたらこれに合わせるオケは全く至難の業だと思うがそこは名うての名手の集まりか。肝心なところでアンサンブルは乱れない。そもそもこの曲はオケが伴奏ということではなく、ソロと一体になって一つの大きな塊を作るような音楽なので、ソロのスピード感をオケが加速するような音楽作りに感動して私たち聴衆の身体も前のめりにならざるを得ない。パットは演奏中飛び跳ねたり、足でリズムをとったり、動き回ったり。確かに裸足で彼女が演奏することは合理的な判断である。一方テディも見るからにオーバーアクションな所作とその大きな体躯と相まって、まるでソリストと指揮者が喧嘩をしているようなビジュアルであった。私にはその光景がまるでアニメの「トムとジェリー」の一コマのように見えて耳だけではなく目も釘付け！これは実演を体験したものにしかわからないと思いますが、何とも言えず微笑ましい、感動しているのに笑顔になる、今までに体験したことのないコンサートの思い出になった。おかげで最終楽章のクライマックスで号泣するプランがまったくご破算になってしまった。これはおもしろい！感動しながらスリリングで心臓の奥でグラグラと血が沸き立つようなしかし爽快で胸のすくようななんとも表現しがたい最高の経験になった。この時点でもう2019年のベストコンサートに決定！笑オケのコンサートでこれ以上の体験は今年はもうないだろうと確信した。そう感じたのは多分私だけではないだろう。曲の最後の音と同時に誰かが叫んだ「ブラヴォー！」は我慢できない感情が一挙に発散したのだろう。決してヤラセではないと断言できる。(長くなったので次に続きます。)

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