記憶は消さないーー「陽だまりの彼女」 | 映画のマニアックな再発見ーやなぎの映画感想

映画のマニアックな再発見ーやなぎの映画感想

いま時ではない映画をもう一度見直すと、メーンストリーム以外のところに目が行ってしまう。些細なところで違う感動を覚える。

やっとみた。念願の「陽だまりの彼女」。


私は映画館で映画を見ることについて、ずっとSF系に限っている。ラブストーリーなどはやはり家でお茶を飲みながらのんびりと鑑賞したかった。

ただ今回は御礼舞台挨拶のため、全国中継で映画館で放送されるそうで、私は日本で初めて映画館に行った。

正直、ラブストーリーとして、素晴らしかった。主演の二人の自然で温かい雰囲気が最高だった。ただ、私は宣伝するほど号泣していなかった。潤ってもなかった。たぶんストーリーの趣旨が中国の神話でおなじみのため、驚いて感動するほどではなかったのでしょう。それで、フェースブックで「不謹慎」な評価を発表した。

来週の発表を準備しているとき、山下さんの「光と君へのレクイエム」を聞いている。だんだん映画のシーンが走馬灯のように思い浮かべている。

番線の番組で潤くんに「もっとも印象的なシーンがなんですか」と聞いた。彼はエレベーターのドアが閉じた瞬間に、真緒ちゃんからの「ありがとう、浩介」というシーンだと答えた。確かにそれはむねきゅんだけど。

私は最後のちょっと前、浩介が一人でバーでコックテールを飲んでいると、真緒が大好きな「素敵じゃないか」が流れているところ、背中のシーンで、浩介が思わず口ずさんでいた。そして、上司が正面から「お前、何その顔」との一言で、カメラが正面に回り、浩介が涙を流しているシーン。

忘れたのか、わすれていないのか。真緒との日々。甦ったのか。それとも、封印された記憶が無意識に体に影響を与えているのか。

どちらにしても、愛の深さをしみじみと感じた。

潤くんだからこそ、それができたでしょう。ニノが2008年の24時間テレビで言った「あなたのやさしさにあたたかさがある」って。

潜んでいる愛、好きな人に見せない悲しい顔。二度と会えないかもしれないが、また会いたいという気持ち。

そして会えた。

また新しい出会いになるのかな。

この世界にファンタジーがないが、なんどもなんども作れる記憶。それは幸せなのか?

今一緒にいることを大切にすることは幸せでしょう。

今まで何があるのか、これから何があるだろうかを考えずに、今そばにいる好きな人を大切にする。

それは「陽だまりの彼女」の素晴らしさでしょう。

終わりのところ、「素敵じゃないか」の歌詞がスクリーンに映されていた。斬新だな。もしかして作者はその歌を聴いて、この小説を書いたのかもしれない。

身近の幸せを感じて、そして大切にしよう。$映見うつみのブログ