ラコタ滞在記Part2-16:白い大地1~祖先達の眠る場所~

バッドランズ・・・Badlans・・・サウスダコタといえば、大統領の顔をかたどった巨大岩山マウントラッシュモアも有名だが、なんといっても数々の西部劇やSF映画の撮影に使われたこのバッドランズである。ここは本当に地球なの? そう思いたくなる景色。きっとサハラ砂漠のど真ん中にいても同じ感覚になるかもしれない。
SF映画の撮影に使われる意味がよく分かる。

草木も生えない、動物すらろくに生活できないほど酷く荒れた粘土と石灰質の土地がら、『悪い土地』という意味でバッドランズと呼ばれたと言われている。これも間違いではないのだが、もともとの由来はこうだ。

ラコタ語でここは「マコスカ(白い大地)」と呼ばれていた。一説によると「マトスカ(白い熊)」だったかもしれないとのこと。
そしてこれを白人が「マコシカ(悪い大地)」と聞き間違えたという説もある。たしかにここは石灰が堆積した真っ白い大地。この白い粘土質を材料にポッタリー(壷)が作られている。また、居留区外へと続くバッドランズは国立公園であり、そこではかつてティラノザウルスをはじめとする恐竜の骨が発掘されたことでも有名だ。

ほとんどが白いが、その中でほんのりピンク色の層がある。これは哺乳類がいた時代を示すらしい。この堆積しているそれぞれの層は地質学上約5,000年ほどと計算されるらしい。もともとここは海の下だったため、海藻類の時代もあって、それは黄色がかった層で見られ、バッドランズ国立公園では黄色、ピンク、白という美しい彩りの場所もある。
海藻時代の層が全体の80%近くを占めている。海の下にあった時代がどれだけ長かったかが分かる。もちろんまだまだ人類ばかりか動物すら存在していない時代にあたる。

さて、今回つれていってもらったのは居留区内のバッドランズでもインディアンしか出入りしてはならないし、そうでもなければ道も分からない迷路のような場所だ。はっきりいって、どこを見ても同じ景色(真っ白)に見えるため、道に迷ったらかなり恐い事になりかねない。もっとも轍が残っているので出られなくなるわけではないだろうけれど。

かつてラコタ族はブラックヒルズを中心に暮らしていたた。それが白人によって金が掘り出されるようになり、ゴールドラッシュの時に現在の居留区へと移住させられた。
それまで彼等の祖先は死んだ同胞達をブラックヒルズに埋葬していたのだ。だからこそブラックヒルズはとても神聖な場所だった。聖なる場所を勝手に奪い、その財産を奪い、聖地を荒らし、そこに町を築いた。さらに移住させられた先は痩せた土地だ。1800年代、白人に対してブラックヒルズを奪還しようと戦いを挑むのは必然だったのだろう。
そしてブラックヒルズを追いやられた彼等は死んだ同胞達をどこに埋めたかと言うと、このバッドランズだったのだ。

今回訪れたこの名も無き場所こそが、祖先の遺体が埋められた土地だった。

その後キリスト教に入信させられた関係で、現在彼等は教会の墓地に埋葬する。しかし人によっては焼いた後の骨をこの土地に撒いているかもしれない。

墓標や目印といったものはどこにも無い。荒らされるのを懸念してそういったものはいっさい無いのだが、ここに埋葬した人々はどこにそれを埋葬したのかだいたいは覚えているそうだ。
なにより、死んだらこの大地そのものに還るという考えから、どこに埋めようとそういうことはあまり関係ないのだそうだ。その大地そのものが墓標である。

広い土地を吹き抜ける風に時々足下を掬われそうになりながら切り立った崖っぷちに立ってみると、かなり高いのが分かる。おそらく数百メートル。西部開拓時代、眼下を通過する白人の馬車をここから襲ったのかも・・・というイメージが膨らんだ。実際、ブラックヒルズを目指してこの広大かつ複雑な様相を呈するバッドランズに道をつくっていったそうで、当時の白人のど根性には驚かされる。

バッドランズという草木も生えないような悪い土地と言われてはいるが、ここにもセージをはじめとする薬草や背は低いがジュニパーなどが結構生えている。それに野兎や鷹、鷲、コヨーテも巣を作っているので、決して生物が生きられない場所ではない。また、バッドランズの一部に「シープマウンテン」と呼ばれる場所があるのだが、それはかつてその場所にカモシカの群がいたことに由来する。現在はカモシカは見当たらないが、このカモシカ達は余裕で断がい絶壁を降りていったため、当時のインディアンが馬で降りてそのまま還らぬ人になったという話もある。

・・・日本にも似た話があった。源義経と弁慶の軍による「一の谷の戦い:ひよどり越えの坂落し」・・・
たしか鹿が断がい絶壁を降りていくのを見た義経が、鹿にできて馬に出来ない筈はないということで行ったという伝説だ。あくまで伝説であり、史実では地形を利用したとはいえ、断がい絶壁を馬で滑走するといったことは無かった・・・らしい。重い甲冑を纏った状態ではさすがに無理だろうなぁとは思うが。

バッドランズの土地は石灰質で非常にもろい。風と雨によって抉られた様子がグロテスクでもあり自然の芸術のようにも見えるが、正直この場所は足で突くとボロボロ崩れそうな場所もある。きっと馬と共に落ちていったインディアンはこのボロボロの柔らかい土質に足を取られてしまったのだろう。
さらにどこまでも続く白い大地の中に立っていると、高低差や遠近が全く分からなくなる。なかなか不思議な場所だ。

この季節はまだ緑があるのでそうでもないが、前回シープマウンテンに行った時はちょっと恐いくらいだった。
不思議な感覚になると同時に、風以外の音がいっさいしない。本当に静かな場所だったからだ。当然といえば当然なのだが、緑もない状態だったため、時間が完全に止まってしまっているような感じすらした。

完全なる静寂。東京にいるとなかなかそういう経験はできない。私はこの静寂の中にいて時折吹き抜ける風が好きで、大地に座って目を閉じると、この大地に溶け込んで一体になっていくような感じがする。
ここでホワイトサンダーが呟いた。

「実はつい先日、面白いものを見つけたんだ。秘密の場所で、ここのすぐ近くにある」
「面白いものって?」
「5000歳のバッファローだ」
「はい!?」
きょとんとしてしまったが、彼は恐らくこの機会を逃したらもう二度と見られなくなるかもしれないと付け加える。
そして私達は「5000歳のバッファロー」を探しに車を走らせた。

*白い大地2~5000歳のバッファロー!?~につづく


 
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