ラコタ滞在記Part2-10:古人がヴィジョンクエストをした場所~祖先達の聖域~1

2年ぶりのホワイトサンダーとの再会はなかなかシュールな出だしだった。私が行くということは内緒にしていて、Tomoさんは彼に「日本人が会いたいと言っている」とだけ伝えてあった。当然、私からもホワイトサンダーには何も伝えていなかった。
ちょっといじわるの様だが、こと彼に関しては成り行きに任せたかったため、あらかじめ伝えておくことで変な気を使わせたくなかったというのもあったのだ。


朝の連絡で「10時に会って出かけよう」という事になる。
時間がくるまでバッファロー・ビル(1800年代後期、ワイルド・ウェスタン・ショウを敢行し、ヨーロッパでインディアン・ショウを行った人物。開拓時代のガンマン)の話をB&Bのオーナーとしていた。シッティング・ブル(ラコタ酋長)が参加した当時の写真(レプリカ)を見せてもらいつつ、なかなか面白い話を聞いた。

なにしろバッファロー・ビルはビジネスマンとしても賢かったようで、適当に作ったインディアンの衣装をショウで着て、それをヨーロッパの人々が高値で買っていったために大儲けしたという話。当のインディアン達がそれをどう受け止めていたかは分からないが、一方の彼等はラコタ語で白人に向かって罵声を飛ばし、当然言葉の分からない白人は盛り上がっていたというのだから笑える。

そんなこんなで気付けば10時をとっくに過ぎていた。インディアン・タイムか?と待つこと1時間、さすがにちょっとこれはないだろうと連絡を入れるも留守番電話。
しょうがないからホワイトサンダーの幼なじみである長老に連絡を取って、いったん彼の元へ行くことになった。車を走らせて数十分後、ホワイトサンダーからの電話で「待ってるのにどうしたんだ!?」と。

どうやらお互いに自分の所に来ると思って待っていたようだ。連絡がつかなかったのは彼が馬小屋で馬の世話をしていたせい。
長老には事情を説明し、結局ホワイトサンダー宅へと車を向かわせた。

子供達には今の時代を生きることを勧めて、彼は一人で居留区に住んでいる。もう若くはないため健康が心配されたが、私の顔を見るなりきょとんとした顔。次の瞬間満面の笑顔で小走りに寄ってきた。「こりゃビッグサプライズだ!」と。

現在彼はラコタ・ホースのトレードを行っている。先日もヨーロッパの人が買い付けにやってきたと話していた。父が酋長、祖父がメディシンマンの彼はカイルというこの居留区でも非常に大きな地区の精神的指導者の一人。カイルという地区はパインリッヂの中程にあるのだが、人に「パインリッヂ居留区出身だ」とは言わず、「カイル出身だ」と話す程この土地にプライドを持っているという話を聞いたことがある。彼は頑固一徹。まるで星一徹のようだ。

伝統を守り続けているせいもあって、非常に厳格な人だ。
一般の観光客相手ではビジネスとわりきって笑顔を振りまきながら冗談を言う。しかしいっさいスピリチュアリティに話は触れない。その辺の割り切りと一線の引き方は確固としたものがある。


さて、いろいろあったが無事に再会を果たすことができた我々・・・だがこの先の予定が全く無い。まぁ彼の話を聞くだけでも非常にありがたいのだが、彼はちょっと考えて「じゃぁいいところに連れてってやろう」と微笑んだ。そそくさと家からセレモニー用のドラムと彼が「No.1インディアン・ジュース!」と言うアメリカン・コーヒーを持って車に乗りこむ。

向かうはカイルから東へ向かった山岳地帯。古くからこの土地の聖地となっている山がある。

1800年代初頭まで、居留区に住んでいた先人達がビジョンクエストを行った山。野生のバッファローが住う聖なる山だ。当時は馬でここに入り、メディシンマンは山の麓にティピを張ってクエストをする人物を見守った。ホワイトサンダーの祖父や父もそうしていたそうだ。

この山は途中までは車で入っていけるのだが、連日の雨のせいで道が抉れ、到底車がまともに走れる状況ではなかった。クレイジー・ホースがクエストをした場所に入れなかったのも、このような状況だからだと用意に想像ができる。車がぐわんぐわん揺れ、川となった雨が削ったクラックにタイヤが嵌らないように慎重に道を選ぶ。さすがにTomoさんもギブアップしてしまい、途中ホワイトサンダーと運転を代わった。

彼はここの道をよく知っているし、それ以上に車好きでもある。むちゃと思えるようなハンドル捌きもお手の物。そんな時、私は見なれない物体が入ってきたことで一斉にこちらを向いた数えきれないほどの野生のバッファローの群れに震え上がる思いだった。このバッファローに関しては写真付きで後ほど書くとして、我々は途中で車を降りて山を登った。

非常に見晴しの良い崖っぷちまで到着すると、ホワイトサンダーはその先端でしゃがんで祈りを捧げていた。静かな時が過ぎて、彼が崖っぷちの手前のシダーの根元に座ると「そこに行け」とジェスチャー。私は彼が祈りを捧げたその場所に向かった。一人座れば他にスペースがないほど狭いところ。そこがかつてヴィジョンクエストを行った場所である。


私は儀式用のタバコを大地に置き、感謝する。晴天の下、穏やかな風と壮大な風景に見守られているような感覚になった。こんな場所はめったに来れる場所ではない。観光客なら尚更だ。
*古人がヴィジョンクエストをした場所~祖先達の聖域~ 2につづく

*サウスダコタ~パインリッヂ居留区オグララ・スーの聖地で過ごした魂の旅日記 PART 2は2008年に別のブログに掲載していたものをアメーバ移行に伴い、再編集しておとどけしています。

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