【漢字席題】(7月参加作品より抽出)
「三、落、屋、下、地、和」を入れる
1.三姉妹集う館の風鈴よ
2.女郎花三代つづく紺屋かな
3.滝落ちて山かひに雲生まれけり
4.梯梧咲く自販機に買ふ三品茶
5.地磁気逆転せし穴太積み涼し
6.八月の句を詠まんとす平和かな
7.飽和して沸き立つ夏や甲子園
8.夏場所や和服美人の堪席
9.稲の香は母に抱かるる心地かな
10.西瓜喰む遠い和平のウクライナ
11.三河屋と越後屋ならぶ秋灯
12.炎天や「天地無用」の赤き文字
13.大輪の向日葵トタン屋根を越え
14.蔦茂るかつて屋外劇場に
【8月の課題】
句型1.応用編「上五(季語)+や(切字)」「中七 +下五(ワンフレーズ)動詞・形容詞等の結句あり」
①上五に季語を置き「や」で切る。(季語+「や」でない場合、中七・下五のワンフレーズ内に季語を置く)
②中七・下五はひとつながりのフレーズである。
③中七・下五は、上五の季語とまったくかかわりない内容である。
15.わたつみや唯静かなる原爆忌
16.空蝉や光と音の燦々と
17 羅静寂の中の書道展
18.花蓼や友だち百人居たかしら
19.昼顔や浜はキャンパス風は絵師
20.盆波や烏帽子岩越し富士望む
21.夏雲や大極殿の朱の新た
22.鴨跖草や正午跨いで待ちぼうけ
23.朝涼やガレットを焼く匂ひ立つ
24.秋茄子や焦がし醤油の香を立てて
25.優曇華や順序で決まる許婚
26.サイダーやごくんごくんと山うごく
27.峰雲や選手宣誓引き当てる
28.秋の芽や白髪頭で選ぶ文字
29.稲妻や歌劇「魔王」の息づかい
30.夢二忌や寄せては返すさざ波に
31.秋空や斎場行きのバス路線
32.炎帝や吾の影小さく地を這へり
33.合宿や心にくゝも夏料理
34.片陰や去りゆくものの息遣い
35.宵宮や大小並ぶ寄進札
36.蜩や枕投げせし部屋の滲み
37.コスモスや打たれ強さは姉に似て
38.朝焼や路傍の歌手の厭戦歌
39.七夕や全快だけの文字太き
40.朝顔や介護タクシー到着す
41.朝顔や母が遺した日記帳
42.桃剥くや灯り一つを引き寄せて
43.峰雲や徒歩で一周瀬戸の島
44.竜胆や十キロ先の手術室*
【選句について】
お一人様持ち点5点。並選1句につき1点、特選は1句2点とします。
特選については、どこがよかったか感想を付していただければと思います。
選句締切:8/22(木)25:00 *投句後、一週間と思って下さい。

8.夏場所や和服美人の堪席○
11.三河屋と越後屋ならぶ秋灯○
12.炎天や「天地無用」の赤き文字△
8月課題
31.秋空や斎場行きのバス路線△
34.片陰や去りゆくものの息遣い△
35.宵宮や大小並ぶ寄進札△
42.桃剥くや灯り一つを引き寄せて○
44.竜胆や十キロ先の手術室○
さんざん迷った末、やっと「選句」して、並選(1句1点)で5句を選びました。
まず、漢字席題から2句
11.三河屋と越後屋ならぶ秋灯
12.炎天や「天地無用」の赤き文字
11、2の秋の「女郎花(おみなえし)」と同じ発想のうえに深みも足りないけれど、数少ない寂しさを感じる秋の季語「秋灯り」だったので選んだ。
一方の女郎花の俳句は季語と老舗に関連が薄いと思うのと、比喩とはいえ化学染料よりも前からある老舗の紺屋は3代程度では無いはず、3代ではせいぜい百年程度になってしまう。
12、夏の炎天下に相応しく、天地無用という言葉に重量や大きさ力強さを感じたのと、最近天地無用の意味を知らない人が増えたと嘆くネット投稿を見たため。
8月課題
35.宵宮や大小並ぶ寄進札
42.桃剥くや灯り一つを引き寄せて
44.竜胆や十キロ先の手術室
35、夏祭で町内の世話役や神社側が寄付者の名前を紙や板で張り出したりするが、そんなところにも裏方のご苦労が滲み出る気がします。もっと本格的な場合には寄付者芳名板として大きな金属製の銘板を用いるようです。
42、秋の桃の甘い香りに桃源郷やあの世の近さ連想し、「灯り一つ」に晩年の悲哀や寂しさを感じる。
44、過去の事かも知れないが、自分か家族が癌などの大病を患っている不安な心境と可憐な秋の竜胆の花との対比が良い
そして、竜胆(りんどう)の根が昔は民間薬として用いられ、いやみぐさ(古くは、えやみぐさ、疫病草、瘧草)とも言うらしく、竜胆もやはり病の重さを暗示しているのでしょう。
8月なのに晩夏の季語が多かったので驚きました、一ケ月ほど季節がずれる新暦より旧暦がほうが体感にあうので季語選びに迷います。
はじめ「8、夏場所」の俳句に惹かれましたが、良く考えたら体重200キロ近い相撲取りが降ってくる座布団1枚の溜席(たまりせき)の砂かぶりに、女性しかも和服の女性がいるはずがないことに思い至り選句から外しました。
54、「片蔭」の句も選んでいたのですが、たくさんある葬儀関連の先行句を読むうちに、出来の悪い二番煎じに見えてしまい外しました
27と43に聞き慣れない「峰雲」という言葉があったので、ググると夏の季語「雲の峰」の子季語として積乱雲、入道雲、峰雲が載っていました、また一つ賢くなった…気分がする?。
私の選句結果を送った後で気付いたのは一番共感して、推しだったはずの「17 羅静寂の中の書道展」を忘れていた事でした、無念残念!。(T_T)

以上、長くなりましたが知識も理念も無い私の無手勝流選句の言い訳?でした。
なお、ここに掲載した投句一覧は悠人さんのブログから勝手に転載しました。
リプログしてもよかったのですが、この文を選句の下書きとして書き、主宰の悠人さんに投稿したあと
残った文章に少し書き加えて私の選句経過としてブログにアップしました。






