民主主義の原則は多数決だ。

数が多いほうが「民意」となる。


ここで、一つの問いかけをしたい。


あるところに10階だてのマンションがあった。

マンションのエレベータが老朽化したため、修繕が必要になった。

しかし、1階に住む住人は、自分たちは普段エレベータを使わないのだから、2階から上の階の住人で負担すべきという案をだした。

これに対して2階から上の住人は対案を出した。

「すべての住人が当分に負担すべき」という案?

いや、彼らが出した案は、「1階の住人がすべて負担すべき」という案だった。

2階から上の住人は、皆で示し合わせて、多数決でこの案を採択した。

結果、エレベータの修繕費は、1階の住人がすべて負担することなった。


多数決が民主主義なら、この例も民主主義といえるだろうか?

民主主義は必ずしも、正義ではないということだ、と僕は考える。


今日、なぜこんなことを書いたかというと、この例が、今の日本の現状 ーー沖縄の基地問題ーーと通じるところがある気がしたからだ。

基地はどこの県でも受け入れたくない。1階の住人(沖縄)もそう考える。しかし2階以上の住人(その他の県)も同様だ。

結果、その他の県は、すべて沖縄に押し付け、沖縄は国土の0.7%しか占めていないのに、一人で基地を抱えている。

これは民主主義ではあるが、正義ではない。

もちろん、沖縄には、産業がなく、基地に依存しなければ立ち行かない面があることも承知している。

しかしながら、現状のような基地の沖縄一極集中は、どう考えてもおかしい。

持ち回りでもいいから、各都道府県で受け入れていくべきではないだろうか?

橋本知事が、伊丹空港に基地を持ってこようとしたことがあったが、猛反対にあって挫折したという記憶がある。

橋本知事は、いろいろ言われてはいるが、この案は素晴らしいと感じた。

先日、全国で知事選が行われたが、新しい知事には、基地問題に関しては、自分の県の問題でもある、としっかり認識してほしい。