久しぶりに書きます。

読者の少ないこのブログなら、悪影響も少ないと思いますが、4スタンス理論の真意を文字で伝えるのはやはり限界があるのでしょう。

 

とある社交ダンス系のブログで、4スタンス理論を完全に曲解して社交ダンスに当てはめているものを見つけて、やはり文字だけで4スタンス理論を語るのは不可能なんだろうと思います。

 

4スタンス理論の肝は、人の身体の使い方には4通りあり、別のタイプになることはありえないということです。

例えば、A1のダンサーなら、終始どんなフィガーを踊る際も、A1で有り続ける必要があり、特定のフィガーだけB2で踊るとかは、絶対に有り得ないのです。

 

しかし、実は社交ダンサーの中には、このような無理な動きをしている人が少なからずいます。色々な社交ダンスの先生に習ったり、本を読んだり、講習会に参加する勉強熱心な人ほど自分のタイプに合わないダンスをすることが多いようです。その結果、腰を痛めたり膝を痛めたりしてしまいます。

 

終始自分のタイプで踊ると、「ナチュラルなダンス」と評価されるのではないでしょうか?

 

下記のブログは、公式のマスター級トレーナーである社交ダンスの先生が書いているので、4スタンス理論については、正しいことが書かれています。ただ、文字でかかれているだけなので、真意をきちんと理解するのは難しいかもしれません。

http://4stance-de-dance.blog.jp/

 

 

 

ラテンのポイズも基本的にはスタンダードのポイズと同じです。

まず、真っ直ぐに立ちます

そして、
Aタイプ:「みぞおち」「ヒザ」「足底」で右脚に「軸」を作り体幹を進展させてボディーを引き上げるます。
Bタイプ:「首の付根」「内股関節」「足底」で左脚に「軸」を作り体幹を圧縮してボディーを引き上げます。

スタンダードとラテンの立ち方の大きな違いは、スタンダードではヒザを緩めているのに対して、ラテンでは基本的にヒザを伸ばして立ちます。

下半身だけを考えると、Aタイプでは「ヒザ」が軸の基点となり、Bタイプでは「内股関節」が軸の基点となります。そのため、立った時に自分の体重をどこで支えているかという感覚が重要になってきます。
Aタイプの場合、ヒザに体重を乗せるようにして立ちます。
Bタイプの場合、内股関節に体重を乗せるようにして立ちます。



左側の写真のように、体重の乗っていない脚を後ろ側に保つようなポイズの場合、Aタイプであればほぼ全体重を前脚のヒザにかければ良いのに対して、Bタイプの場合、後脚に軸が作られるため、前脚に全体重を掛けることはしません。

右側の写真のように、体重の乗っていない脚を前に保つようなポイズの場合、Bタイプはほぼ全体重を後脚の内股関節に乗せれば良いのに対して、Aタイプの場合、前脚に軸を作るので後脚に全体重をかけません。
4スタンスの診断はなかなか難しいものがあります。
廣戸道場で行なう正確な4スタンスチェックと違い、各タイプの動きを元に判定する場合、長年の癖や身体の歪みやスポーツトレーニングによるタイプと異なる身体の使い方の作りこみなどによって正しい判定ができないことも多々あります。

何度も言いますが、自分と異なるタイプの動きをすることは、動きの種類にもよりますが、それ程難しいことではありません。レッシュ4スタンス理論のキモは、自分のタイプに合ったナチュラルな動きを身につけましょうということであって、異なるタイプの動きをマスターしましょうということではありません。

色々な4スタンス診断法がある中、ゴルフの世界で4スタンス理論を実践しているプロゴルファー横田真一の判定方法が簡単で間違いも少ないような気がしておすすめです。



まず、タイプ1とタイプ2のチェックをします。これは私も紹介した方法で、太ももを回して立てるかどうかチェックする方法です。この方法での1タイプ・2タイプのチェックは比較的精度が高いです。



次にAタイプ・Bタイプの判定をしていますが、脚を回して立てるかどうかという1タイプ・2タイプ判定の応用です。

1タイプ・2タイプの判定で回した太ももの方向と同じ方向に回して立てればBタイプ、太ももの方向と反対方向に回して立てればAタイプとなります。この判定の際には、1タイプ・2タイプの判定で立てた方向に太ももを回して、ヒザを内側に回すか外側に回すかしてチェックします。

このヒザを内側に回すか外側に回すかというこのは、下腿(脚のヒザから下の部分)が内側に回るか(回内)外側に回るか(回外)をチェックしているのです。そしてこれは、正確にはパラレルタイプかクロスタイプかをチェックしているのです。下腿が回内するのは、パラレルタイプ、回外するのはクロスタイプです。
従って、
1タイプ(内旋)のパラレル(回内)であればB1
2タイプ(外旋)のパラレル(回内)であればA2
1タイプ(内旋)のクロス(回外)であればA1
2タイプ(外旋)のクロス(回外)であればB2
となります。

スタンダードのポイズのキモは、正しい立ち方です。

正しい立ち方については、真っ直ぐに立つことを参照してください。

この立ち方は、静止したん安定状態を作り出してしまうので、動くことができません。踊るためには、5つのポイントを一直線に揃えたこの状態を崩して身体を動かす必要があります。



しゃがみ方を参考にして、「軸」を保って動く方法を考えてみましょう。
レッシュ4スタンス理論では、タイプに応じて、5つのポイントの内3つを「軸」のポイントに、2つを積極的な可動ポイントにします。

Aタイプでは、「みぞおち」「ヒザ」「足底」の3つを「軸」のポイントにしました。そのため、「内股関節」を「軸」から外して動きの準備をします。ロワーする時も、「内股関節」を動かして、「ヒザ」で体重を支える感覚を保ちます。

Bタイプでは、「首の付根」「内股関節」「足底」の3つを「軸」のポイントにしますから、ヒザを「軸」から外して動きの準備をすることになります。ロワーをする時も、「ヒザ」動かして、内股関節で体重を支える感覚で行います。

ただし、「軸」のポイントを5つから3つにしても、真っ直ぐに立つことに変りないので、肩甲骨と骨盤を真っ直ぐに保つことが重要です。骨盤を前傾させたり後傾させたりすることのないように気をつけましょう。

よく、背中を壁に付けたまま真っ直ぐロアーする練習をしたりしますが、これはBタイプの人の練習方法です。Aタイプの人は、壁におでこを付けてロアーする練習をした方が効果的です。

また、動くためには、体重を片方の脚で支える必要があります。次の段階では、右脚、左脚に体重を移してどちらの脚でも自分のタイプの「軸」を作れるように練習します。片脚に体重を乗せて「軸」を作る感覚を身に付けるのは大切なことです。



AタイプとBタイプでは「軸」作る位置が異なります。Aタイプは運動の進行方向に対して前側に「軸」作るのに対して、Bタイプでは運動の進行方向に対して後ろ側に軸を作ります。

社交ダンスでは、例えばスロー・フォックストロットでフェザーステップから入る場合やワルツでナチュラルターンから入る場合、男性の右脚が進行する脚となります。そのため、Aタイプであれば、一歩目の脚である右脚にそのまま「軸」を作って立ちます。Bタイプでは、一歩目の脚である右脚の後ろ脚である左脚に「軸」を作ることになります。

したがって、Aタイプの人は右脚で、Bタイプの人は左脚でそれぞれポイズの練習をするのが有効だと思います。



ボディーを引き上げる。Aタイプの人にとっては簡単なことです。身体を伸ばすようにして普通に身体を伸ばすとボディーが引き上がります。身体を伸展させて使うAタイプに取ってはごく自然な身体の使い方です。

ところが、Bタイプの人にとって、ボディーを引き上げろと言われて普通に伸び上げるようにすると全然ボディーは引き上がりません。体幹を圧縮させて身体を使うBタイプに取って、伸び上がるという感覚を未知の領域です。そこで、頭の位置をそのままにして身体を圧縮することにより、相対的にポディーが引き上げるようになります。机を下に押すようにしてボディーを引き上げるなどBタイプのためのアドバイスです。だから、逆にAタイプの人が机を押しながらボディーを引き上げようとしてもボディーは引き上がりません。

ボディーの引き上げ方は、レッシュ4スタンス理論的なタイプの特徴が顕著に現れるので、自分と異なるタイプの先生の指導をそのまま鵜呑みにしてはいけません。

----- まとめ -----
Aタイプ:「みぞおち」「ヒザ」「足底」で右脚に「軸」を作り体幹を進展させてボディーを引き上げる
Bタイプ:「首の付根」「内股関節」「足底」で左脚に「軸」を作り体幹を圧縮してボディーを引き上げる。
社交ダンスをしていて、よく疑問に思うことに対して、レッシュ4スタンス理論は一つの回答を与えてくれます。レッシュ4スタンス理論の社交ダンスへの応用可能性が推察されるものです。

Q1.先生によって教え方が違うのはなぜですか?
A1.
同じフィガーでも、習う先生によって全然違うことを言います。身体の使い方についてもそうです。同じ動きでさえ、時には全く正反対のことを言います。
社交ダンスには教科書があるにはあるのですが、教科書の記載は「結果」を描写したもので、それに至る「過程」を明らかにしていません。そのため、各社交ダンスの先生は、「過程」部分について自分の体験や感覚で教えることになります。
4スタンスのタイプの違う先生は、身体の使い方の感覚が違いますから、同じ動きについて異なる描写をするのは当然のことです。
例えば、クロスタイプの先生であれば、身体の前面から進んでいくように指導しますし、パラレルタイプの先生であれば、背中側から動くように指導するでしょう。
自分のタイプと同じ先生に出会えれば、ダンスの上達も早まるでしょう。

Q2.同じ先生でも全く違うことを言うのはなぜですか?
A2.
良い先生だからです。あなたのその時々の状態に合わせた正しい指導をしているからです。あなたがレッシュサイクルのMLゾーンにいる場合とMゾーンにいる場合では課題が異なります。
例えば、真っ直ぐきちんと立てるようになったら、大きなホールドを指導するかれしれません。そうすると、今までとは違った指導になるのは当然です。
また、やり過ぎによる反対の指導の場合もあります。骨盤の後傾を治す指導をしたら、やり過ぎて骨盤が前傾してしまった場合などが考えられます。

Q3.ダンスが上手な人と踊ってもしっくりこないことがあるのはなぜですか?
A3.
友達から「あの人はすごく上手だから踊ってごらん」と言われて踊ってみると、全然ダメだったということはありがちです。4スタンスのタイプが合わなければ、どんなに上手な人でもしっくりこないし、タイプが合う人であれば、上手に見えない人でも気持ちよく踊ることができたりします。
4スタンスのタイプは4つですから、1/4の確率でしっくりくる人に巡り合うはずですが、実際はなかなか出会えません。なぜでしょうか?
レッシュ4スタンスのトレーナーによると、日本人はB2タイプが一番多いそうで、A1とB1が同じぐらいで、A2が一番少ないそうです。もしあなたがA2タイプの人であれば、しっくりとくる相手に出会う確率は格段に低いことになります。

Q4.なぜ難しいフィガーを簡単にこなせる人がいるのですか?
A4.
タイプによってやりやすい動きとやりにくい動きがあります。もし、あるフィガーがタイプ的にやりやすいものであれば、簡単にできるようになるでしょう。もし、自分のタイプの動きと違う動きを要求されるようであれば、できるようになるのに苦労するはずです。