スタンダードのポイズのキモは、正しい立ち方です。
正しい立ち方については、
真っ直ぐに立つことを参照してください。
この立ち方は、静止したん安定状態を作り出してしまうので、動くことができません。踊るためには、5つのポイントを一直線に揃えたこの状態を崩して身体を動かす必要があります。
しゃがみ方を参考にして、「軸」を保って動く方法を考えてみましょう。
レッシュ4スタンス理論では、タイプに応じて、5つのポイントの内3つを「軸」のポイントに、2つを積極的な可動ポイントにします。
Aタイプでは、「みぞおち」「ヒザ」「足底」の3つを「軸」のポイントにしました。そのため、「内股関節」を「軸」から外して動きの準備をします。ロワーする時も、「内股関節」を動かして、「ヒザ」で体重を支える感覚を保ちます。
Bタイプでは、「首の付根」「内股関節」「足底」の3つを「軸」のポイントにしますから、ヒザを「軸」から外して動きの準備をすることになります。ロワーをする時も、「ヒザ」動かして、内股関節で体重を支える感覚で行います。
ただし、「軸」のポイントを5つから3つにしても、真っ直ぐに立つことに変りないので、肩甲骨と骨盤を真っ直ぐに保つことが重要です。骨盤を前傾させたり後傾させたりすることのないように気をつけましょう。
よく、背中を壁に付けたまま真っ直ぐロアーする練習をしたりしますが、これはBタイプの人の練習方法です。Aタイプの人は、壁におでこを付けてロアーする練習をした方が効果的です。
また、動くためには、体重を片方の脚で支える必要があります。次の段階では、右脚、左脚に体重を移してどちらの脚でも自分のタイプの「軸」を作れるように練習します。片脚に体重を乗せて「軸」を作る感覚を身に付けるのは大切なことです。
AタイプとBタイプでは「軸」作る位置が異なります。Aタイプは運動の進行方向に対して前側に「軸」作るのに対して、Bタイプでは運動の進行方向に対して後ろ側に軸を作ります。
社交ダンスでは、例えばスロー・フォックストロットでフェザーステップから入る場合やワルツでナチュラルターンから入る場合、男性の右脚が進行する脚となります。そのため、Aタイプであれば、一歩目の脚である右脚にそのまま「軸」を作って立ちます。Bタイプでは、一歩目の脚である右脚の後ろ脚である左脚に「軸」を作ることになります。
したがって、Aタイプの人は右脚で、Bタイプの人は左脚でそれぞれポイズの練習をするのが有効だと思います。
ボディーを引き上げる。Aタイプの人にとっては簡単なことです。身体を伸ばすようにして普通に身体を伸ばすとボディーが引き上がります。身体を伸展させて使うAタイプに取ってはごく自然な身体の使い方です。
ところが、Bタイプの人にとって、ボディーを引き上げろと言われて普通に伸び上げるようにすると全然ボディーは引き上がりません。体幹を圧縮させて身体を使うBタイプに取って、伸び上がるという感覚を未知の領域です。そこで、頭の位置をそのままにして身体を圧縮することにより、相対的にポディーが引き上げるようになります。机を下に押すようにしてボディーを引き上げるなどBタイプのためのアドバイスです。だから、逆にAタイプの人が机を押しながらボディーを引き上げようとしてもボディーは引き上がりません。
ボディーの引き上げ方は、レッシュ4スタンス理論的なタイプの特徴が顕著に現れるので、自分と異なるタイプの先生の指導をそのまま鵜呑みにしてはいけません。
----- まとめ -----
Aタイプ:「みぞおち」「ヒザ」「足底」で右脚に「軸」を作り体幹を進展させてボディーを引き上げる
Bタイプ:「首の付根」「内股関節」「足底」で左脚に「軸」を作り体幹を圧縮してボディーを引き上げる。