レッシュ4スタンス理論でも社交ダンスでも真っ直ぐ立つことは非常に大切です。
そして、なかなか真っ直ぐ立つことができません。真っ直ぐバランスよく立てれば、社交ダンスの半分はできたと言っていいかもしれません。それくらい大切です。

中級者や上級者が社交ダンスを踊る姿勢は、普通の立ち方に見えません。入門者や初級者が、真っ直ぐ立てるようになる前に中級者や上級者の立ち姿を真似して踊ろうとすると、首を痛めたり、腰を痛めたり、ヒザを痛めたりしてしまいます。

まずは、普通に真っ直ぐに立つことを覚えましょう。中級者や上級者の立ち姿、すなわちポイズは、真っ直ぐに立てることが前提で、それをアレンジしたものです。
そして、社交ダンスにおいて、見た目が同じでもやっていることはぜんぜん違うということはよくあることです。真っ直ぐに立てない人は、中級者や上級者のポイズを真似しないでください。



上の図が、伝統的に真っ直ぐに立つということを表したものです。
「耳」、「肩」、「腰」、「ヒザ」、「くるぶし」が横から見て一直線になるように立てと言われます。

レッシュ4スタンス理論では、6つのポイントを押さえて正しい立位姿勢を作るように指導しています。
第一のポイントは、足底です。地面に平行になるようにしっかり床を踏みしめるように立ちます。
第二のポイントは、足幅を首の幅にします。首の幅、内股関節の間の幅、足の幅が等しくなるようなイメージにします。
第三のポイントは、頭の重さを土踏まずに載せこむように立ちます。これは「耳」と「くるぶし」を一直線に合わせることに該当します。
第四のポイントを、肩甲骨を真っ直ぐにすることです。これは「肩」を「耳」と「くるぶし」のラインに合わせることを意味します。また、胸を張らないようにすることによって、レッシュ4スタンス理論的には、「首の付根」と「みぞおち」と「足底」を一直線に揃えることを意味します。
第五のポイントは、仙椎を真っ直ぐにすることです。これは、「腰」を「耳」と「くるぶし」のラインに合わせることを意味します。レッシュ4スタンス理論的には、「首の付根」から「足底」までのラインに「内股関節」を合わせることを意味します。




ここまでのポイントで、難しいのは、第四と第五の肩甲骨を真っ直ぐにし仙骨を真っ直ぐにすることです。

骨盤は、ダンスを踊っていて、お尻がでると言われると、骨盤を前傾にしてしまいがちです。そして、骨盤の後傾を治そうとすると、やり過ぎて骨盤を前傾してしまいます。

肩甲骨も同じで、猫背だとか背中が丸いと言われると、過度に胸を張ってしまいがちです。特にスタンダードダンスで、ホールドを広くしようとして、首を後ろに引こうとついつい胸を張ってしまいます。私もよく胸を張りすぎだと言われます。

さて、最後の第六のポイントは、今までの5つのポイントが正しく出来たかどうかを確認するもので、身体の柔軟性があることです。
第一から第五までの姿勢が正しく取れたら、「軸」保つ意識を持ちながら、身体を上下左右前後に動かしたり、小刻みにジャンプして見てください。頭部が安定した状態で柔軟に動ければ正しい姿勢です。

では、実験してみましょう。正しい姿勢から、胸を張ってみてください。先ほどと違って身体の動きが悪くなりませんか?