母の変化はいつから始まっていたのだろう?

 

今はもう何年前というのはかなり曖昧にしか覚えていないけど、

私自身の人生のイベントと照らし合わせると

 

おそらく8年前にはじめて病院で「認知症」と診断されました。

 

診断されたのは8年前であって、

当然、私たち家族が

 

「あれ?お母さん、おかしいな」

 

と感じてから診断まではもっと長い時間があった。

 

 

そう考えると10年くらい前から

もしかしたら始まっていたのかもしれない。

 

10年前というと母は68才。

まだまだ若くて、高齢者と呼ぶには忍びない年齢だった。

 

東京の郊外の市営住宅で一人暮らしだった母は、

近所に住む長女(私の姉)の娘、

つまり母から見ると孫たち(当時小学生)が度々遊びに行っていた。

 

姉はシングルマザーなので、仕事やなんやで娘たちのことで母に頼ったり、

母も孫が可愛いので喜んで受け入れたりと支え合う関係だった。

 

母は明るく、穏やかで、欲がない、静かに暮らしている母でした。

 

私がたまに母の元へ顔を出しに行くと同じ話を何度もすることがあり、

 

「年寄りによくあること、一人暮らしだと普段話す相手がいないからこういうこともあるよね」

 

とあまり気にしないでいた。

 

ある時から気がつくとやたらと姉に対する愚痴が多くなってきた。

 

家族とはいえ女同士だし、

姉が母を頼っているのも知っていたので(姉ももちろん母を助けていた)

 

「お互いに口に出せない小さな不満があるのかもな」

 

と思いながら聞き流していた。

 

他県に住んでいた私は、母の元に顔を出すのは2ヶ月に一回程度で

会いに行く以外は電話で様子を伺っていた。

 

電話でも、会いに行っても姉に対する愚痴を聞く回数が多くなっていたことに気がついた。

 

だけどそれが認知症を疑うことには繋がらなかった。

 

その後も会うたび、電話するたびに姉への不満を聞くようになり、

いつからかあんなに可愛がっていた孫(姉の娘たち)についても愚痴を言うようになっていた。

 

そこから、私が認知症を疑うきっかけとなったことが起きた。