2011年4月19日。
いつも札幌の動物管理センターのHPを見るのが日課だった私。
4月に入ってから載っている サビ柄の女の子 3歳。
一般家庭から放棄されていました。
私は「このニャンコは避妊済みだし、お外の猫じゃないから
エイズや白血病のキャリアなんて持っている訳がない」と
根拠のないことを勝手に思い込んでおり、
(ホント無知でした...)
保護して里親さんを見つけてあげられるかもしれないと...
(これまた、里親さんがすぐ見つかると安易に考えておりました)
毎日、毎日気になっていました。
ツキネコのボランティアに行くようになり、
たった二週間ほどで すっかり感化された私は、
勇気をだして管理センターに電話をしてみました。
私 :「現在掲載されているサビ柄で避妊済みの猫なんですけど...」
職員さん:「あぁ...まだ居ますが、
血尿が酷くて、どうしようか迷ってるんです...」
私 :「え?! どうしようか?!」
「それはもう処分するということですか?!」
職員さん:「そうですね...来た時からゴハンは全然食べないので、
栄養剤の注射だけでここまで診てきましたが、もうこれ以上
なにもしてあげることができないので、かえって可哀想で...」
私は咄嗟に「明日、会いに行くので1日待ってもらえませんか?!」というと
職員さんは「ええ、大丈夫ですよ」と言ってくれました。
翌日、私はさっそく札幌動物管理センターへ...。
犬の吠える声がずーっとしてました。
扉を開けるとすぐにワンコと目が合ってしまい、
もうどんな容姿のワンコだったか覚えてないのですが、
「ここから出して!」と訴えているような目だけ
ハッキリ覚えています。
情けないですが、涙が溢れてきてしまい
その先の猫舎まで行けなくなってしまいました。
今までも私みたいな人がいたのでしょうか、
職員さんは慣れたように
「今、ここに連れてきますから」と言って
その子を連れてきました。
目だけが真丸に見開いていて、体はガリガリ。
なんと表現していいかわかりませんが、
香箱座りで座ってても、支えがないと
そのままの状態でバタッと倒れて
起き上がれないような状態でした。
私は号泣しながら「つ、連れて帰りますっ!!」と言いました。
急いでその足で病院へ向かいました。
先生は
「手術が必要ですが、
体力をつけないと手術もできない状態です。
今はこの子の生命力に期待するしかありません。」と仰いました。
祈るような気持ちで先生に託しました。
そして少しづつ体力を回復し、無事に手術も終えました。
血尿の原因は結石でした。
小指の爪くらいの石だったので
先生は何年も辛い思いをしていたのでは...と
仰っていました。
どうしてそんなになるまで放っておいたのか、
何故そんな状態でセンターに放棄したのか...
考えただけで怒りが収まりませんでした。
元々ついていた首輪も
「こんなもの取ってしまえ!」と
思いっきり投げ捨ててやりましたが...。
ゆずはうちの子たちの中で一番おりこうさんで
私の言うことも理解してくれてるように思います。
何をしても引っかいたりかじったリしたことがない子です。
その様子から本当はとても
大事にされていたのではないだろうか...
そんなこと考えたりもしました。
いろいろな事情を抱えて已む無く
放棄する人もいるのかもしれませんが、
それでももっと他に方法があるだろうと
やっぱり怒りが先にたってしまいます。
家に連れて帰り、のんびり過ごしてもらいました。
保護して里親さんを見つけようと思っていたのですが、
病院で、3歳のわりには歯が年寄り並みだし
年なら引き取ってあげてもいいのでは...
という意見に、
結局うちの子にすることにしました。
名前も「ゆず」と名付けました。
でも...だんだん元気になって
どう見ても運動神経はウチの子達の中で一番良く
しかも年寄りが180cm以上ある食器棚から飛び降りることが
できるんでしょうか...(°д°;)
おもちゃも大好きだし...
どう見ても3歳なのでは...先生?!と言いたかったですが...
でももうウチの子にすると決めた以上は
里親を募集する気にはなれませんでした。
しかし問題が...
長男のそらとの相性が最悪で...(-"-;A
徐々に会わせてきたつもりでしたが、
そらの攻撃がハンパなく...
最初の頃は住み分けをしないといけない状態でした。
顔を見ればそらが興奮して襲いかかり、
ゆずは唸りながら
恐怖でドラえもんのように耳がペタンとなってしまい...
襲われたらされるがままで
恐怖で失禁に脱糞...
困ったなと悩んでおりました。
約一ヵ月後にツキネコに居た まだ小さかった次男「ちび」が
当時風邪と真菌で隔離されておりました。
そのちびを一時預かることになりました。
2011年5月の次男「ちび」
意外なことに そらがちびに物凄く興味を示してくれました。
なんだか友達でも見つけたかのように
ゆずに対するような攻撃的な感じが全くなく、
そらとちびが仲良くなったらもしかして、
ゆずとの関係も多少良い状態になるかも...と
思いはじめました。
結局私まで、ちびが可愛くて可愛くて夢中になってしまい、
ちびを引き取ることになりました。
ちびが来てくれたおかげで
そらはちびのことが可愛くて可愛くて
いつも一緒にいるようになり、
ゆずのことを執拗に追いかけなくなりました。
それでもゆずが視界に入ったり、
お腹が空いてイライラしているとき
そらはゆずに八つ当たりします(-"-;A
ですが、ゆずもだんだんとなれてきたようで
襲われたらそらが届かない高いトコに
上って避難するなど上手く攻撃をかわせるように
なっていきました。
極たま~にですが、出かけて帰ってきたら
ゆずの毛が散乱してるときがあります
そんな時、一体ゆずがどんなになってるか心配して
様子を見てみると意外と毛づくろいしてたり
普通に寝てたりします。
彼女も意外と神経が図太いのかもしれません( ̄ー ̄;
飼い主に似るんですね(;´▽`A``
そらには弱いのに長女の「もも」にパンチしたりします...
ももとそらとゆずの関係はとても仲が良くなるとは
思えない状態ですが、
普段は互いに視界に入らないようにしてるようです。
ちびや三男「くりりん」のことは子猫の時から見てるせいか
可愛がってくれます。
今思うと、飼い猫だったからと言って何の根拠もなく
エイズや白血病ではないと思いこむなんて
本当に浅はかでした。
たまたまゆずはすべて陰性で、
健康にもなってくれましたが、
もしかしたら一生治らない病気だったかもしれません。
そらのように新入りをいじめたり、
いじめられたりするかもしれません。
先日も余市保健所のことを記事にしました。
でも先住ニャンコやワンちゃんがいるお宅で
引取りをお考えになっている方がいらっしゃいましたら
慎重にご検討して頂くことをお伝えしなければと思いました。
感染症にかかっている場合、
症状が出ていればまだ気付きますが、
最初は何もなくても
あとからくしゃみや鼻水などの症状が出てくることが
よくあります。
隔離できる場所を確保する必要があります。
その上で、もしこれから新しいニャンコを家族にしたいと
お考えの方がおりましたら、
各保健所にはたくさんのワンニャンが収容されていますので
保健所の方とご相談して頂き、
是非是非ご検討して頂けたらと思います。
引き取りたいけど自分には何もできないと
思われている方もたくさんいらっしゃると思います。
私も保健所のHPを見ては涙するだけしかできませんでした。
引き取って頂くだけではなく、
一人一人必ず何かできることがあって
それが回り回ってワンニャンの幸せに結びつくと思っています。
一匹でも多くのワンニャンが
幸せになってほしいと願っています。