〇10月1日 風月抄「映画館の始まり」
新しい見世物興行に過ぎなかった頃の初期の映画は、歌舞伎座などの劇場を借りていただけでしたが、1903年(*明治36年)の今日「10月1日」に、浅草の「電気館」が、日本最初の映画常設館として誕生しています。
(浅草の電気館)
この劇場は電気館という名前ではありましたが、光源にはまだガス灯を使っていましたし、館内には特にこれと言った設備もなく、観客は下駄ばきのまま土間に立たされて、人の肩越しにスクリーンを覗くという有様で、その観覧料は10銭でした。。
また、この日にデパートの東京白木屋では、和洋折衷の二階建て食堂の改築が完成しています。
この食堂には、ベルギーから輸入した厚さ1寸2分のガラスを張ったショーウインドウが造られ、天井まで吹き抜けの大ホールがあり、その隅の方には「遊戯場」が造られていました。この遊戯場は買い物中のお客の子供を預かるもので、木馬やシーソーなどの子供用の遊具が置かれていました。
また近くの飲食店が出張して梅園の汁粉、東橋庵の蕎麦、帆影ずしの寿司の出店を誘致して買い物客の便宜を図っています。これがこんにちの日本のデパート食堂の嚆矢となっています。。