風月抄「貝塚の話」6月17日

 福岡に「貝塚」と名前の場所がありますが、日本のみならず、世界の至る所で,先人が貝殻を殻を捨てた跡である「貝塚」を見ることがあります。


 この貝塚は、先史時代の人類が食べ残した食べかすの貝殻を一ヶ所に集めたもので、日本では、アメリカの生物学者の「モーリス」が1877年(*明治10年)の今日「6月17日」に横浜に着いて、何気なく汽車の窓から外を眺めている時に、貝殻を堆積してあるのを見て、それから大森の貝塚を発見し、考古学的な貝塚の研究が始まってます。

 その貝塚は、何も日本のみならず、ヨーロッパの地中海沿岸やアフリカにあり、またアメリカやアジア諸国にもあります。もちろん、貝殻が採取できるのは海岸地帯だけなので、山の中の貝塚などはめったに見られませんが、日本の滋賀県の「石山」には、シジミなどの淡水の貝殻を集めた貝塚があり、ブラジルのサンパウロ州には、陸に住んでいる蝸牛(カタツムリ)の殻の「貝塚」があるそうです。

 

 **戦時中は、アルミ不足のため、貝殻に竹の柄を付けた代用品の「汁杓子」が使われました。

 

     
 
 このような美しい貝殻は後期石器時代から「装飾用品」として使われており、巻貝などを使った首飾りが地中海沿岸で見つかっていますが、「食用」にした貝の殻は、ひとまとめにしてゴミ捨て場に集積され、それが現在見られる「貝塚」になったのです。

 

    

           (貝殻・いろいろ)