〇風月抄「聴診器の起源」5月5日
今日「5月5日」は、五節句の一つの男の子の節句「端午の節句」ですね。今は「子供の日」として祝日になっています。
この日には、粽(ちまき)を食べる慣習がありますが、これは、古代中国の憂国の詩人「屈原」が、「汨羅・べきらの河」に身を投じたとき、その体を魚の餌にならないようにと、人々がその代わりに、もち米で作った餅を草の葉で包んだ「粽・ちまき」を川に投げ込んだという故事から、この端午の節句と結びついて、5月5日に「粽」を食べるという風習が出来ています。
(ちまき)
「せいくらべ」
♪柱のキズは おととしの
5月5日の せいくらべ
ちまき食べ食べ 兄さんが
はかってくれた 背いのあと
そういえば子供のころ、傷はつけなくても、柱に背もたれして、よく竹製の物差しで背の高さを計ったものです。
また、二つの紙筒に糸紐をつけて電話ごっこをしてよく遊んでいましたが、世の中には、こんな無邪気な子供の遊びがヒントになって思わぬ大発明が生まれた例が多いですが、「聴診器」もその一つです。
お医者さんにとって、一日も手放せないのが、聴診器ですが、もともと、聴診器を発明したのは、フランスの病理学者「R・T・H・ラネンエック」↓です。
彼は1916年に、子供たちが、このように長い棒を耳に当てて遊んでいるところを見て思いつき、翌日、さっそく細い紙筒を作って、心臓病患者の胸に当てて、耳をその一端に当ててみると、なんと心臓の鼓動がはっきりと聞こえるではありませんか。
そこで、「ラネンエック」はさらに研究を進め、直径3センチの杉の棒に直径5ミリの穴を縦に通して、よりはっきりと内診が出来る聴診器を完成させたのです。
この完成によって、内科の診察技術は画期的な進歩を遂げましたが、皮肉なことに、「ラネンエック」自身が、自分が発明した聴診器によって自分の胸の異常を発見して、1826年に肺疾患のために死亡しています。。
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