〇「風月抄」マーガリンの初め 「3月18日」
1871年の今日「3月18日」に、プロシャ王「ウイルヘルム1世」がドイツ皇帝として即位し、それに抵抗する市民たちが、いわゆる「パリ・コンミューン」の成立を宣言しています。
(普仏戦争)
その時の「普仏戦争」はヨーロッパ全体に、大きな衝撃と影響を残しましたが、その戦争の間、バターの不足が深刻になりました。
(天然バター)
そこで、ナポレオン三世は、バターの代用になるものの発明者には、多額の賞金を与える・・という、いわば現代の発明コンテストのようなことを企画しました。
(人造バター)
これに応募して入選したのが「H・メゲ・ムーリー」という人物で、彼は牛の腎臓部の脂肪分を低温で溶かし、それをミルクで練り上げてバターの代用品としたのです。彼はこれにはマーガリン酸が含まれているであろうと推測して、これに「レオ・マーガリン」と名付けました。これが今日のマーガリン、つまり「人造バター」の始まりです。。
(H・ムーリー) (マルガリン)
今次の世界的な戦争中は、バター不足になったので、魚から作られた代用バターの「マーガリン」ばかり配給されました。
しかし、このマーガリンは栄養に富んで、そのうえ、値段が安いので戦後も広く用いられ、また、天然バターよりも価格が安いので、フランスばかりでなく、ヨーロッパ全体に行き渡りました。そして、第一次世界大戦から第二次世界戦争と、戦争が続いた二十世紀には深刻なバター不足が続いたので、そのたびにマーガリンの需要が拡大し、市場も拡大したのです。
また、最近では動物性ではなく、植物油を使った低カロリーのマーガリンも登場して、今や、マーガリンは単にバターの代用品ではなくなって独自の特色を確立しています。
ちなみに、「メゲ・ムーリー」はこの代用バターにマルガリン酸が含まれていると推測して「マーガリン」という名を付けましたが、実はマーガリン酸は含まれていなかったのです。。