〇「クラーク先生の贈り物」1月17日

 

      

      (クラーク博士)

 

 
     (ボーズ、ビー、アンビシャス)

 

 我が母校の中学の教頭先生は、ゴキブリというあだ名をつけられたほど、色黒の先生でしたが、英語も教えており、よく生徒たちに「Boys, be ambitious !」と言って、勉強しろ、勉強しろと叱り飛ばしていたので、「アンビー」という別のあだ名もついていました。

 そのambitiousと言えば、まず「クラーク先生」ですね。

  クラーク博士は、明治9年(*1876年)9月に開校したばかりの札幌農学校(今の北海道大学農学部)に教頭としてやってきて、当時の青年たちを感動させた「Boys, be ambitious !」「ボーイズ ビー アンビシャス・少年よ大志を抱け」という言葉を残して日本を去りましたが、そんな言葉だけでなく、きわめて実用的な贈り物を日本に残しています。

 それは「フランクリン・ストーブ」という鋳物の石炭ストーブでした。

 

    

        (1700年代のフランクリンストーブ

 

 明治の初め、寒さ厳しい北海道に移住した日本人は、囲炉裏やコタツなどの暖房器具しか持っておらず、ただ寒さに震えるばかりでした。
 その北海道に、クラーク先生がアメリカから持ってきたストーブは、「ペンジャミン・フランクリン」が、1742年に発明した暖房効果の高いもので、寒い北海道にはうってつけのものでした。そして、クラーク先生のこのストーブはやがて農学校を中心に、北海道全域に広がり始めたのです。 

 ちなみに、このストーブを発明した「フランクリン」の誕生日は1706年の今日「1月17日」でした。