桜いろいろ 「白い八重桜」 

 桜の花もあらかた終わったというのに、今日は急に冷え込みました。風が冷たいですね。

 こんなのを「花冷え」というのでしょうか。。

 

       一燈にみな花冷えの影法師      大野林火

 

(白い桜)

  〇 白妙(しろたえ)

 

 


 八重桜の色もさまざまで,柔らかい淡紅色や濃いピンク色が普通ですが、ほかにも白色から黄色いのや緑色の桜までありす。

 その白い桜の代表的なのが「白妙」です。

 

 


「白妙」はむかし東京の荒川堤に移植された大島桜系の里桜の一種で、花は白色の大輪で花ビラは10から15枚あります。
 白妙はツボミのうちは淡いピンク色で、花は極大輪で純白、開花期は4月中旬です。 

開花の時期は八重桜のうちでは早咲きの方で、ソメイヨシノよりも遅く、関山より早いようです。 白妙の白い花は次第にピンク色を帯びてきますが、樹勢が強く大木となります。

 

 

 

           たれこめて春の行方も知らぬ間に
              待ちし桜も移ろひにけり       藤原因香(古今集)

 

 〇「太白」

 太白(タイハク)も白い桜ですが、こちらは八重ではなく一重の白い桜です。

 

 


 日本では昭和2年に絶滅してしまい、その後イギリスから桜の研究家が日本に持ち帰ったのが根付いて開花したものだそうです。
 「太白」という花の名前は逆輸入されたとき「鷹司信輔氏」によって命名されました。

 一重の桜ですが花が5㌢くらいと大きいので、満開になると圧巻です。

 

(一重の太白)


 〇「松月」

 八重桜の「松月」も白い桜の部に入るでしょうが、こちらは白の中に淡いピンク色がまじっていて、なかなかきれいです。
 「松月・ショウゲツ」は、バラ科サクラ属の園芸品種で、一名「野田大桜」とも呼ばれています。

 

 

                  (八重咲きの白い桜・松月)

 

 樹高は5m程度で、枝は横に広がって傘型の樹形になっています。

 花は大輪の八重咲きで、ある程度の集まりを作って下に向かって垂れて咲いていて、花びらは薄い紅色で、花の端が赤く中心部は白くなっています。
 

 

  

  松月は、花はソメイヨシノよりも遅れて咲き始め、花の時期に葉が出始めます。

 楚々とした乙女の姿のように美しいので人気がありますが、枝が横に広がる性質なので、ある程度の広い場所に適しています。

 

                                     しらん