電車  (31) 「最初の鉄道」  2月21日

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イメージ 2   最初に旅客輸送を行った鉄道は、1807年に開業したイギリスのウェールズ地方のオイスターマス鉄道で、既存の路面軌道を用いた馬車鉄道でした。明治、大正期に流行った日本の馬車鉄道(馬鉄)もこの影響を受けたのでしょうか。

 蒸気機関車による鉄道を世界で初めて使用したのもイギリスで、最初のころは木製のレールでしたが、その後鋳鉄製から錬鉄製のレールへと改良が進みました。
    ↑(イギリスの馬鉄)


 1804年2月21日に、イギリスの「トレヴイシック」が造った線路を走る「蒸気機関車」が初めて試運転に成功しましたが、鋳鉄製の鉄路の強度がもろかったり、汽缶の過熱を処理する装置が十分でなかったりで、実際に鉄道が操業出来るまでには至りませんでした。

 その後、1825年9月27日に世界最初の鉄道会社が開業し、機関車も改良を加えられて「ロケット号」が走りましたが、この機関車は2回にわたってボイラーが爆発して機関士は共に死亡しています。原因は安全バルブの操作ミスで、機関士の不慣れのためでした。

イメージ 3 最初に実用的な近代鉄道が敷かれたのは1930年に「J/スチーブンソン」の手によって開業した「リバプール・アンド・マンチェスター鉄道」でした。
 
  これはリバプールとマンチェスターの二都市を結ぶもので、その成果が驚異的だったので、イギリスではこの時から鉄道時代に突入するようになりました。特に重要な幹線はロンドンからエジンバラを結ぶ鉄道で、この鉄道が完成したおかげでこの二都市間の時間は50時間に短縮されました。

 50時間と言えばほとんど2昼夜ですから、今の感覚ではとても低速に思われますが、それまで使われていた馬車が12日から15日もかかっていたのから、鉄道が如何に効率的だったかが判りますね。なお、当時の機関車の平均速度は3キロで最高速度は46キロでした。今の新幹線の200キロや300キロに比べると、まさに今昔の感アリ・・ですね。

 ところがこのロケット号は1830年にイギリス下院議員の「W/ハスキンソン」を轢き殺してしまいました。
 「ハスキンソン」は鉄道開通記念日の参観に来て、引き込み線に停止していた「ノーザンブリア号」から下りて線路に降り、そこから列車を見物しているところを全速力で走ってきた「ロケット号」に轢かれてしまったのです。ノーザンブリア号は重傷を負った「ハスキンソン」を載せて時速60キロで病院のあるところまで走りましたが、彼は出血多量でその日のうちに亡くなりました。これが鉄道人身事故の第一号になったのです。

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