楽天を率いる平石洋介監督代行 (C)KYODO NEWS IMAGES

◆ 後半戦だけなら首位 

 後半戦に入って21試合で14勝6敗1分という快進撃を見せている楽天。まさに前半戦のうっぷんを晴らすかのような勝ちっぷりで、後半戦だけの成績に関してはリーグトップの成績を残している。 

 大きく離れていた5位の背中も見え始め、監督交代時には無理だろうと言われていたクライマックスシリーズ進出も夢ではなくなってきた。首位・西武と2位・日本ハムがやや抜け始めたなか、最後の1枠をめぐる争いは最後まで混戦を極めそうだ。 

 しかし、順風満帆に行かないのがペナントレース。勢いに乗る時ほどアクシデントはつきもので、楽天も一時的な離脱から戻ってきた美馬学が右肘の張りで再びの離脱。同日に脇腹痛で登録抹消されたジャフェット・アマダーは、後に禁止薬物の使用が発覚して6カ月間の出場停止処分。さらに守備の名手・藤田一也も試合中の負傷で離脱。加えて、今季なかなか調子が上がらなかったカルロス・ペゲーロも二軍での再調整が決まるなど、ここに来て戦線離脱の連鎖が続いているのだ。 


◆ 救世主候補、続々! 

 相次ぐ主力の離脱によって、さすがにその勢いも失われるかと思われた。ところが、上述の通り後半戦の成績は依然としてリーグトップ。なんとか踏みとどまっている裏側には、離脱者に代わって昇格した選手たちの活躍がある。 

 アマダーに代わって昇格したゼラス・ウィーラーは、骨折明けながら8月3日の復帰以降7試合で打率.385、2本塁打、7打点の活躍。9日の日本ハム戦では3ランを含む1試合5打点の大暴れでチームを勝利に導いた。 

 また、藤田に代わって一軍に抜擢されたのが高卒ルーキーの西巻賢二。楽天ジュニア出身という19歳は8日の試合でプロ初安打を含む2安打をマークすると、翌9日の試合でも2安打を放ち、適時打でプロ初打点を挙げた。二塁だけでなく遊撃の守備につくなど、持ち味の守備でもアピールを見せている。 

 そして美馬の離脱で空いた先発のイスには、高卒2年目の藤平尚真が名乗りを挙げた。9日の試合は同じ高卒ドラフト1位・堀瑞輝との注目の投げ合いになったが、藤平は味方の援護にも守られて7回無失点の好投。4月19日以来となる今季2勝目を掴んだ。 

 このように、各ポジションで救世主候補が現れているのは良い傾向。ピンチをチャンスに変えることができれば、チームはより勢いづく。まさに今が正念場だ。平石洋介監督代行の手腕が問われる。