虚ぎゆく時の中で
只、セピア色に染まっていくのか
それとも色を重ね続け自分のカラーを持てるのか。
時は美しくされど残酷で四季は無限の様に繰り返す。
葉は枯れやがて地面に落ちまた芽となり幹となる。
屋根に守られている椅子は濡れないけれど
雨ざらしの椅子の風化は少しだけ早い。
人間の歴史の最大値で120年程、平均値は80くらいだ。
自分を保ち続けながら生き続ける事は容易いことではない。
そもそも自分とはなんなのか?
疑問に思わない人間が99%だろうと私は思う。
答えは私の中で出ているのだけれども
どの道に進もうが間違いでもなく正解でもない。
進んだ先を正しく努めるのが最良な結果なのだろう。と思ったが10年後の自分がこの文章を見ていたら嘲笑うのかとも思った。
重ね続けた色が何色であれ、
黒以外であれば私は素敵だと思う。
何色をも重ね続け自分を
見失ってしまった色が黒だとすると
産声を上げた瞬間が真っ白なキャンパスだ。
美容技術の進化で表面的な人相は
いとも容易く変えられるけども
内面的な人相は容易く変えられない。
それは見るモノではなく感じるモノだと思う。
貴方の好きな色は何色ですか?
それが貴方の本当の心の色だと私は思います。
9月の終わり。
スズムシと吸血蚊が混ざり合う深夜の公園。
左手の親指と人差し指の間を吸われた。
金木犀の香りはもうしない。
三日月というには大きすぎて半月と表すには
少し小さい。
月を眺め、星を眺め1人片手にエビスを持って。
これを幸福と呼べないのなら私は欲張りなのであろう。
今宵は総裁選や政治の話はしないが
世の中には強欲な輩が沢山いる。
私はほんの少しの愛情でも分け与えられる
優しさを持ち合わせたヒトになりたい。

izaya