クリスペプラーがテレビで「昔に失恋してものが食べられなくなって痩せた事があった。しかもそんなに好きではなかった相手だったのに」というような事を言っていたのを聞いて、「わかるー!!」と叫んだ。
否、実際には叫んではないんだケド。

すんごく好きな相手に失恋すればそりゃショックである。
私も20代前半の時に大失恋して、この先どうやって生きていこうかな、と真冬の土手で体育座りで朝6時~9時まで泣きはらした事がある。体育座りで。

しかし、である。大して好きではない程度、(ちょっといいカナ~)という相手から拒絶されるのも、また違った角度と切れ味で斬り込まれるのである。気配もなく、というか「いわし雲とひつじ雲、どっち派?」なんてヘラヘラ話しているうちに、背後から斬られていた、みたいな。あれ、なんか背中痛くね?斬れてね?みたいな。

大好きな相手からは真正面からズバッと斬られ、だから痛くて堪らなくて、初めはボロ雑巾のごとく傷付いた心はドン底を這いずり回るのだが、日を追えば、「それでも彼を好きになって良かった」や「大好きだった彼には幸せになってもらいたい」などにゆくゆくは着地するのである。

しかしこれが大して好きではない相手だと、そうも着地できない。さっきまで笑顔だった向こうからの突然の拒絶に、「え?!なんで??なにかマズかった?!」「ややや、待て。別にこっちだってそんな好きではないですから!」「お前がフルな!」など、心がざわつくのである。変に。いいカナ程度の相手だからこその、その拒絶に対し反発。しかも、そういった反論の場を設ける程の間柄ではないっていうのもあって、そのままフェードアウト。ひとり、モンヤリで終了、なのである。傷付いた心の着地場がないのである。ざわざわしながらただひたすらに電車の窓外を流れる景色をぼんやり眺めるはめになるのである。

30代になって婚活してると、特にそう。
これだから、ひとり言がふえるのである。

てか、クリスペプラーからしてみれば、「俺のはそうじゃない。一緒にするな」って感じかもしれないよね、あのいい声で。