＜地下鉄のザジ（Zazie dans le metro・仏・1960）＞★★★

NHK―BSで放映され、録画しておいてずっと見ていなかった作品で、＜死刑台のエレーベータ＞や＜恋人たち＞を作ってフランスのヌーヴェル・ヴァーグの先駆けの一人と言われるあるルイ・マル監督のほぼ同時期の作品ですが、手持ちカメラを縦横に使っている以外はおよそしかつめらしさのない、往年のチャップリン映画を思わせるようなコメディ映画で、監督が資金稼ぎに軽く作った作品で、ちょっと肩透かしを食ったような映画でした。

＞地方に住む10歳の少女ザジは、パリで地下鉄に乗れると喜び勇んで叔父のガブリエルを訪ねてやって来ます。しかし、地下鉄は生憎のストライキで運行しておらず、当てが外れたザジは一人でパリの街を歩きまわります。少女趣味の変態男に連れ回され危ういところで家へ逃げ戻ります。叔父は彼女をエッフェル塔に案内します。叔父の友人のタクシー運転手の結婚披露パーティでは、大人たちの乱痴気騒ぎに巻き込まれます。危険を感じた叔父は彼女を抱いて地下鉄の駅へ逃げ込みますが、それと同時にストライキが解決して地下鉄が動き始めます。しかし、ザジはぐっすり寝込んでそれに気付きません。翌日、母がザジを迎えに来て、「地下鉄に乗った？」と尋ねるとザジは「乗ってない」と答えます・・・・・

ザジは汚い言葉を乱発して、妙にませていて可愛げがなく全く共感しませんでした。私の子供だったら張り倒してやりたいと思いました（笑）作品としては「シュルレアリスム的でスラップスティックな表現(Wikipedia)」と紹介されていましたが、私としては“ルイ・マル！”の高名さに惑わされることなく、つまらない拍子抜けの映画でした。