＜エマ　晒された裸体（Ｃｈｙｂｙ・チェコ・2021）＞ ★★★

原題の意味は調べても判りませんでしたが、英題は”Emma in Love（恋するエマ）“で、邦題のようなポルノじみた意味ではないと思います。それにしても、変な邦題ですが、とにかく珍しいチェコの映画で、主演女優は同国の映画祭で主演女優賞にノミネートされたというのでそうひどい映画ではないはずだと期待して見ました。そ

＞田舎町のスーパーで働く25歳のエマは、かつて生活費稼ぎにアダルト・ビデオに7～8本出演していましたが誰にも内緒にしています。ある夜、近くの村に住む30歳の屋根修理職人のトマシュとバーで出会い、意気投合して男女の仲となり、その後もずるずると関係が続き、同棲するようになります。しかし、或る日、トマシュがPCでエマの出演作を見つけてしまいます。悩んだトマシュは仕事の相棒イゴールに相談しますが、イゴールはそれを秘密にしておくからとエマを犯そうとしますが、エマが強く拒絶し、トマシュとイゴールの仲も険悪となります。噂はたちまち町中に広まり、人々のエマへの視線が変わり、たまりかねたエマは母親の家へ去ってしまいます。トマシュもすっかり落ち込んで酒浸りになりますが、職場の上司から「過去を振り返るよりも未来を見据えろ」と言う助言に目が覚め、エマを迎えます。トマシュはどこかへ移転しようと言いますが、エマはこのままで良いと告げます。

かつてはソ連邦の支配下に共産党の独裁が続きましたが、ビロード革命を経て人々は自由を獲得しましたが、同時に性への欲望も解放され、ネットにはアダルト・ビデオも氾濫しているようです。トマシュも独身時代から覗いていたようですが、エマと同棲するようになってもまだ彼女の眼を盗んで見続けていたようです。だから、エマの出演作をたまたま見つけても、彼女を責めることが出来ず、親友に打ち明け、親友はそれを材料に彼女を抱こうとしますが断られ、逆恨みをしてエマの秘密をばらまいてしまいます。こうした事件はチェコに限らず、世界のそこかしこであって、特に珍しい話ではありませんでした。それに、自分は隠れてこそこそとポルノを見ているに、エマの過去を責めるのは卑怯だと思いました。

セックス・シーンも数度はありますが、大きなモザイクをかけてボヤかすほどのものではありませんでしたが、主演女優は同国の映画祭で主演女優賞にノミネートされたそうです。さしてナイスバディではありませんが、ポルノに出たいきさつは明らかにされていませんが、かつての出来事に引きずられず、しっかりした自立精神を持っているようで好感が持てました。一方、男の方は密かにポルノを見ていたので彼女を強く責めることが出来ず、エマに逃げられてもくよくよしているだけで頼りのない男でした。

全体に、特にチェコらしいところはなく、万国共通の男女の絡みを描いた平凡なラブストーリーでした。

＜エマ 晒された裸体（Ｃｈｙｂｙ・チェコ・2021）＞

＜エマ　晒された裸体（Ｃｈｙｂｙ・チェコ・2021）＞