博士の愛した数式
数学と聞いただけで拒否反応起こす私はバリバリの文系
理系です、というだけでその男性が素敵に見える。
私のまったくわからない理論や数式を立て板に水の如く語るくせに
一般常識や巷での流行りものの話になると
ピタリと貝のようにクチを閉ざす
もう、そんな男性だったら、申し分ない(何が?)
だから博士は私の理想の男性である。
私の誕生日は4月28日。
自分の誕生日がとても気に入っている。
なぜ気に入ってるか、その理由はわからなかったけど
ようやくわかった。
きっと、博士は私の誕生日を聞いたら
興奮してくれるだろう。
そんな予感がする数字だもの。
記憶できないということは記憶を共有できないということ
同じときに同じ場所にいたという想いを分かち合えないということ
「忘れてしまったの?」
こう言われてあわててしまうこと、あるよね
決して軽い気持ちだから忘れてしまうんじゃないのだけど。
でも、優先順位が低いんでしょ・・と言われているようで
焦る。
博士は忘れたくないことも忘れてしまう。
家政婦は忘れられないことを忘れてしまおうとする。
「だから何なんだ」って、子供の父親だった人を
忘れてしまおうとする。
忘れることで前に向かう、彼女。
忘れることで後ろを気にする、博士。
二人がそれぞれに残す紙切れはまったく意味が違っていて
人の記憶のあり方って、面白い。
やさしいお話。