こんな訳で親とは絶縁状態にあった。
別れない結婚がしたかった。
でも、別れない結婚なんて想像できなかった。
人は変わっていくし、最初の気持ちを忘れてしまう生き物だ。
どんなに別れないって誓ったって、
いつしかお互いを憎しみあったり、無関心になってしまったり、
そうやって変わっていくものなのに、
別れない、なんて言えるだろうか?
その上、自分の親を見てきた娘としては、自分自身を信じることができなかった。
こういう事をする親の遺伝子を体内に持っていて、
かつ、幸せな家族ってものを見てきていない、(っても、中学生までは平和だったんだけど)
そんな自分が幸せな家庭を作る自信がなかった。
彼のポリシーとして、結婚をしないって言うのがあって、
20代後半の時分聞いた時にはがっかりしたものだけれど、
時間が経つごとに、それは諦めもあるし、自分が抱える問題もあいまってありがたいことだった。
こんなことを考えていた私が結婚をすることになった。
初めて結婚をしたいと思う相手ができた。
一方で、悩みが増えた。
だって、こんな事を考えているのによ。
そんな人間が結婚してもいいのかな、ってね。
ただ、彼と話をしているうちに、
これだけ悩んでいたからこそ、幸せになるよう頑張れるかもしれない、って。
あとは、少なくとも彼ならば、別れないよう努力をしてくれるんじゃないかな、って。
精神的なものに関しては、そうやって自分の中で整理をつけていった。
もう一つは、現実的に親に連絡を取らなければいけないってコト。
彼が、ちゃんと筋を通したいという人だから、
まずは両親にちゃんと報告する事、と言っていた。
私は、当時の自分が考え抜いて自分から縁を切っておいて、
自分の事情で再び連絡を取るのはいかがなものか、と。
とはいえ、こういった事でもなければ二度と親に連絡を取れなかったかもしれない。
だから、これを契機に親に再び連絡をする事を決意した。
電話する前は結構緊張したなぁ。
そもそも、電話番号とか変わってるかもしれないから、先に叔母に連絡したりして。
父は比較的スムーズだった。
結婚に関しては喜んでいたし。
ちゃんとあの時の話もして、あの時はこうだったけど、今はこうしているとか。
まぁ、言ってる事は相変わらず勝手ではあったものの、
それでも、彼なりに考えているんだなと思った次第。
母に連絡すると、いたって冷静なもので。
こちらも丁寧な言葉で返しちゃうものだから、
どっか遠い人のようで。
会いづらいなぁ、と思いながらも
祖母の調子が悪いと聞いて、早めに会いに行くことを約束する。
さてはて長くなったものの、こうして母に会うことになった。
祖母の病院に行くこともあって、会社を1時間ほど早めに退社。
丁度彼が大阪から東京に戻ってくるタイミングと合いそうなので、
少し遠回りをしてもらって、途中の乗り換え駅で待ち合わせ。
ちょっと顔を見て、安心したかったんだ。
大阪&京都みやげをたんと貰って、
かつ親へのみやげまで頂いて、そして親元へ向かう。
4年ぶりの親って、どんな風になってるんだろう。
電話であれだけよそよそしかったのに、
実際に話すとしたら、どんな風になるんだろう。
緊張しながら、待ち合わせ場所に向かう。
相変わらず変わらないなぁ・・・・
年の割には若いって言われるであろう体つき。
顔はだいぶ年をとったなぁ。
でも、年の割にはきれいだなぁって思う。
目が大きいと、逆に目元に年齢が出やすいんだな。
なんてことを、会った瞬間に思いつつ、
祖母の病院に向かいながら、ぽつぽつと話を始める。
彼から貰った土産を渡しながら、彼の話をしたり。
自分の今やっている仕事の話とか、
あとは、祖母の状態とか母の仕事の話とか。
私が感情が出づらいのって、親の影響なのかもなって思う。
嬉しいのか悲しいのか怒ってるのか、よく分からない。
話をしているけれど、報告をしているものの、
その先の気持ちがちっとも分からなかった。
普通の家庭だったら、って考える。
まぁ普通の家庭なら、そもそも親子間が断絶する事はないか。
ちょっと喧嘩なんかをして、暫く話をしなかったとして、
その後、仲が戻るときってどんな風になるものかしらね。
全く何もなかった振りをして、淡々と話が進むのってやっぱり気持ち悪い。
だって、その時に思ったことや不満に思ったことを、
結局は相手に伝えないで終わってしまうんだもの。
母が離婚をする前に、父に言わないで不満を溜め込んだものと同じ状況だから。
変わらない、変えられない、この人の性格を含みこんで
親として認めていくしかないんだろうなぁ。
子どもって親を選べないなぁって思う。
だから、自分が親になったときに、
この親でよかったって思ってもらえるような、そんな親になりたいなぁ。